京都府の北西部に亀岡市があります。
この市は全国的にも珍しい「プラスチックゴミゼロ宣言」を出しています。
令和3年(2021年)1月には、「プラ製レジ袋提供禁止条例」を施行しました。
先立って平成30年(2018年)には「かめおかプラスチックゴミゼロ宣言」を出しています。
亀岡市には、関西では名前の知れた急流を船でくだる保津川下りの保津川が流れています。
川下りの船頭が、大雨で増水したあとに河原に打ち上げられるペットボトルやレジ袋の山に、胸を痛め清掃を始めたのが、プラスチックゴミゼロ宣言の始まりでした。
その動きを知り、NPOが設立され清掃活動が始まりました。
それを後追いするように、市もプラごみ対策を始めました。
市は環境先進都市をめざすビジョンを市民に示して、それがプラスチックゴミゼロ宣言につながりました。
ただし、市が宣言を出し条例の制定に向かうと、そうすんなりと関係者が賛成したのではなかったのでした。
「お客さんが来なくなったらどうしてくれる」などの声が商店主からあがりました。
そのうちに、関係者の中から「市民がレジ袋を出さないことに了解すればレジ袋を禁止できるかも」という意見が出ました。
そこで市はレジ袋を出さないことに市民が了解することが決め手になるのでは、と考えました。
自治会を軸として、市は説明会を30回たらず開きました。
そして、条例制定のアンケートをとると、7割以上の住民が賛成しました。
このようにして、条例が制定される運びとなったのでした。
亀岡市はプラスチックゴミゼロ宣言以外に、パラグライダーの生地を再利用したエコバッグをつくり、市民が愛用するなどいろいろな取り組みを進めています。
その結果、市民の意識が高まり、マイバッグ持参は令和元年(2019年)の53.8%から令和3年には98%にまでなりました。
亀岡市の取り組みはSDGs(持続可能な開発目標)の12番「つくる責任、つかう責任」や14番「海の豊かさを守ろう」などに通じます。
SDGsは本気になって、できることから始めていくのがいのです。
このような自治体の取り組みを児童生徒に教材として使い、SDGs推進教育を進めていくことができます。
将来の日本社会を背おう子どもたちに、持続可能な開発に理解を示し、実践していく態度を身につけてほしいと願います。
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