箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「プレゼンテーション」の極意

2021年09月23日 08時54分00秒 | 教育・子育てあれこれ


プレゼンテーションは、企画やその意図を聞く人に理解してもらうための効果的な説明を行うことです。

パワーポイントは、もとは、プレゼンテーション(以下プレゼン表記)のために開発されたツールでした。

企業の企画会議や新商品の開発広報などでよく「パワーポイント」が使われます。

PCに「パワーポイント」(以下PPと表記)のソフトががインストールされ、プロジェクター等で画面をスクリーンや大型モニターに拡大して映しだして、説明をします。

日本では、およそ20年ほど前からPPよく使われ出し、その後研修会等でも講師がよく使うようになりました。

しかし、講師のなかには、自分が話す講演内容をすべてPPのスライドに流し込み、使う人もいます。なかには90分の講演で100枚以上のスライドを映し出す人もいます。

こういう使い方は、本来のPPの使い方ではないと、私は考えています。

そもそも、プレゼンは長すぎない方がいいのです。情報だけでなく、ストーリーが必要なのです。

スライドの枚数が多いと、聞く人は何が大切なのかわからなくなります。

だからつまらないプレゼンになります。私は30分のプレゼンをするのなら、スライドの数は10枚以内で十分だと考えています。

プレゼンターは不必要なことを削らなければならないのです。
念のためにこれも入れておこうと何でも情報を詰め込む、スクリーンが文章だらけになってしまいます。

詳細な情報が必要ならハンドアウトにして配ればいいのです。

シンプルに一番大事なエッセンスだけを伝えるのがプレゼンの極意と言えます。

プレゼンはシナリオづくりがものを言います。

私が考えるプレゼンの極意とは・・・。

①プレゼンは人の心を動かすためのものです。ロジカルであることが目的でないのです。
プレゼンは聞き手の感情に訴えたり、背中を押してあげたりすることが必要になります。

②情報を取捨選択します。聞き手はせいぜい3つぐらいまでしか理解できないので、聞き手の「理解のカゴ」の大きさにあった量になるよう、情報を取捨選択するのです。

③プレゼンが人の心を動かすためには「疑問を投げかける」→「結論を伝える」→「理由を加え、納得させる」の順番であることが必要です。

「疑問」を投げかけることで聞き手の興味をひき、「結論」で驚きを与え、最後に「理由」で納得を得るのです。

ただし、「疑問」はただ単に疑問を投げかければいいというものではありません。

「みなさん、この数字は何だと思いますか?」といきなりクイズをしても、「そんなんわかるわけないやろ」となってしまいます。

大切なことは聞き手と同じ土俵に立つことです。

学校教育での講演会なら、「最近の子どもたちの意欲は本当に乏しいですね。失敗するのがイヤだからチャレンジしようとしない。

ではこの数字は何でしょうか?」そして「どのようにしたら子どもたちはチャレンジするようになるのでしょうか?」と投げかけるのです。

「結論」では聞き手に驚きを与える結論を述べます。ここで当たり前のことをいったのでは聞き手は興味を失います。

理由を述べた後、気持ちに訴えかける要素が必要になります。「このように子どもが成長したのです」と感動的なエピソードを加えます。

そして、最後に聞いている人の背中を押すのです。「このようにすれば、どこでも、だれでもできますよ」と相手の背中を押してあげます。(じつは、これを言わずにプレゼンを終える人が実に多いのです。)


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