Michiyo Kamei "Shape of life"いのちのかたち  

画家 亀井三千代 記
「身体曼荼羅」春画と解剖図
michiyokamei diary

亀井三千代 HP/Michiyo Kamei official web site 

https://michika-6.wixsite.com/michiyokamei

「羽化」2006

2015年12月11日 09時18分37秒 | 作品紹介

今更ですが、テンプレートを変更しました。

っていうか、
変更することによって
カバー写真も編集することができるってことを
初めて知りました(笑)!

時々変更したいと思います。

そしてその都度、作品をご紹介しながら
自身の記録にしていきたいと思います。

今回のカバー写真はこれ。

はじめて軸装していただいた作品「羽化」2006 アクリル・和紙



まだ岩絵の具を使い始める以前の作品です。

風景、なのでしょうか
今観るとちょっとタコっぽい。

モチーフ無しで何となく描き始め、何となく仕上げていきます。

好きな制作方法でしたが
コンセプトがどうとか、又どう打ち出すかとか
全く考えていない頃の作品なのでパンチに欠け(弱っ(@_@;))

次第にこの方法で描くことがなくなりました。

今あらためて振り返ると、これはこれでいいような
またこの方法で制作したいと素直に思えます。


絵画によって社会と関わるのは、当然のこととして取り組みますが
もともと、家にこもってひっそり描くのが好きな子供だったし
むしろ、観られるのが嫌だった時期もありました。


絵画は自分自身の、何て言うか秘密の世界だったように思います。
絵画に自分を打ち明けたり、逆に自分の世界をのぞいてみたり
誰に見られなくても「ただ描くのが好き」と言う気持ちは今でも基本だと思っています。


この気持ちを大切に、また続けていきたいです。


 エピソード

そういえば、この作品には不思議な縁があった。
この作品は2006年、栃木県板室温泉にある
大黒屋という旅館に併設されているギャラリーで展示したことがある。
そこでこの作品を気に入り、買ってくださったのはある女性のお客さまで、
で、この方が愛し支えた作家が日本画家の故田中芳氏だったようだ。

私はこのお客さまとは以降1度もお目にかかることはなかった。
消息不明になくなってしまったのだ。
田中さんとはこの方のご縁で度々おめにかかってはいたものの
結局は亡くなってしまった。
そして不思議なことに、この作品は私の手元に戻ってきています。

絵は魔物だという人がいるけれど
人間の縁に劣らず絵も時々とても奇妙な縁を結ぶ。
私の手を離れて自立し勝手に縁を繋いでいく
生き物のようだと感じる時があります。