11月の初旬の平日、丸の内駅舎の復元工事の完了によって最近は影が薄い東京駅の八重洲口を撮影してきました。普段は東京地下鉄東西線大手町駅で下車して東京駅へ向かうのですが、今回はひとつ手前の日本橋駅で降りて八重洲口へ向かうことにしました。永代通りをまっすぐ西へ向かえば東京駅が見えてきます。
日本橋駅周辺はここ一年ほど訪れない間に周辺は高層ビル街となっており、永代通りの南側の区画(高島屋の北側)でも現在高層ビルを4棟建設する計画が出されています。日本橋地区と隣接している大手町エリアの高層化の流れがここ日本橋にも広がっているということなのでしょう。
交通量がものすごく多い永代通りをしばらく歩いていると前方に大手町の高層ビル群が見えてきました。
永代通りと外堀通りが交差している「呉服橋交差点」に到着しました。交差点の名前となっていますが、かつてこの場所には江戸城の外堀が南北に通っていました。その時に架けられていた橋の名前が交差点の名称に受け継がれているのです。外堀通りにはこれと同じような「数寄屋橋」「鍛冶橋」といった橋の名前の交差点が数多くあります。
呉服橋交差点に面して建っていた「第一鉄鋼ビル」「第二鉄鋼ビル」の解体工事は順調に進んでいました。解体されたあとは再開発工事が実施されますが、容積率の上限が1400%まで引き上げられ、地上25階地下3階、高さ140メートルのオフィス棟と中高層階のサービスアパートメント棟の2棟で、総延床面積約114000平方メートルを予定しています。
呉服橋交差点の北側には大和証券本社ビルが建っていましたが、2007年に後述するグラントウキョウノースタワーへ移転します。跡地には2009年に「パソナグループ本社ビル」が建設されました。2階から9階まで壁面が緑化されており、「アーバンファーム」と名付けられています。
呉服橋交差点から撮影した「グラントウキョウノースタワー」です。「水晶の塔」と「光の帆」を設計のコンセプトとした超高層ビルで地上43階塔屋2階、地下4階建てで高さ200メートルを誇ります。 設計(デザインアーキテクト)は、ドイツ系アメリカ人の建築家ヘルムート・ヤーン氏です。
呉服橋交差点から外堀通りを南へ向かい東京駅八重洲口へ向かいます。
ズームで撮影すると八重洲口の南側にそびえ立っている「グラントウキョウサウスタワー」が見えました。
旧大丸東京店跡地では現在も歩行者用デッキ「グランルーフ」の建設作業が進められていますが、2012年(今年)の初頭の時期と比較すると工事の進捗度は慎重な感じに思えました。
ノースタワーの建っている敷地にはかつての「国際観光会館」の建物がありました。JR東日本の他に周辺地権者である三井不動産、鹿島八重洲開発、国際観光会館、新日本石油とともに共同開発することになり、それぞれの所有する敷地を一体化し、駅前広場をはさんで南北に2棟の超高層ビルを建て、中央部に新しい駅舎とデッキを建設することになりました。
2004年(平成16年)9月10日に八重洲口のツインタワーに着工されます。新しいビルはヘルムート・ヤーンによる設計で、延べ床面積は35万6711平方メートルに達しています。ツインタワーは「グラントウキョウ」と命名され、北館の「グラントウキョウ ノースタワー」は43階建て、南館の「グラントウキョウ サウスタワー」は42階建てで、2007年(平成19年)11月6日にオープンしました。
八重洲口にあった鉄道会館内の大丸東京店はノースタワーの低層階(地下1階から地上13階)に移転し第一期完成の後、鉄道会館の建物を撤去し、その跡地に第二期工事を行ったあとにグランドオープンしました。第一期の際の開業時の店舗面積は34000平方メートルだったのに対し、2012年10月5日に第二期の増床工事が完了した際には46000平方メートルになりました。
八重洲口へ近づくと4機のタワークレーンが整然と並んでいる光景が見えてきます。
八重洲口の細長く狭いエリアの中で巨大なタワークレーンが建設作業を行っていました。
地下鉄東西線日本橋駅から5~10分ほども歩くとすぐに東京駅の日本橋口や八重洲口に出ることができます。