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緑の、東京ブログ

千葉県の東京寄りに住んでいる私「緑」が大好きな東京の散策写真のブログを作ります!!!

開業後の東京駅:整備準備中の駅前広場を通り抜けて丸の内南口へ

2012年11月06日 18時21分29秒 | 東京駅周辺


丸の内北口前から南口へ、駅前広場の中に(暫定的に)整備されている歩行者用通路を歩いて移動します。丸の内南口周辺はロータリーや東京ステーションホテル地下駐車場へのアプローチ道路がほぼ完成に近い状態になっているのに対し、北口周辺は敷き直したアスファルトがそのままになっている箇所が多くありました。




東京府に設置された東京市区改正取調委員局から内務省に対して1884年(明治17年)に提出された市区改正意見書の中で新橋駅と上野駅の間を鉄道で結び、皇居前(丸の内)に中央停車場を設けてはどうかという提案がなされます。審議の結果、新橋から上野まで高架鉄道を建設し、外堀・鍛冶橋前に中央停車場を設けるというものです。




駅前広場の一角には見学者専用の広場が設けられていて、駅舎を見渡せることができるようになっています。手前に写っているのは丸の内北口前のタクシー乗り場の手前で待機中のタクシーです。




駅前広場から撮影した丸の内駅舎の中央部です。天然スレートによって敷かれている黒い屋根が太陽の光によって光り輝いていました。




詳細を詰めるための東京市区改正委員会が発足し、そこでさらに議論が行われたのち、原案のように新橋と上野を高架線で結び、この間に中央停車場を設置することが答申されます。この報告を受けて内務省は鉄道庁長官に対して1890年(明治23年9月17日付けで、中央停車場より南側を官設鉄道が、北側を日本鉄道が建設する形でただちに工事に着手するように訓令しました。




それまで官営東海道本線の始発駅であった新橋駅は現在の汐留シオサイトの位置に設置されていたのですが、東海道本線の延伸工事に伴い駅舎が現在の位置に変更されます。また上野駅からも線路が南へ向かって敷かれ始めます。延伸工事において中央停車場以外に有楽町駅と神田駅が新たに途中駅として設置されました。




駅前広場の工事用の仕切り板やプレハブ小屋が完全に撤去されたので、駅前広場の中央から周辺に立ち並んでいる高層ビル群を見渡せるようになりました。中央停車場が創建された頃と比較すると、JPタワー、丸ビル、新丸ビル、日生丸ビルと高さ160~200メートルの高層ビルに囲まれています。




今回の丸の内駅舎の復原工事では建物の地下躯体構築や免震化工事が実施されると同時に、東京ステーションホテルの地下駐車場も新設されています。この駅前広場の真下にはJR総武快速横須賀線の東京地下駅ホームが埋まっているので、難しい工事だったそうです。




丸の内駅舎の手前に広がる広場の中にはガードレールが縦横無尽に広がっていて、その中をタクシーが走り抜けていきます。




「東京駅中央口交差点」前から駅前広場の中のアプローチ道路に入ったあとに、丸の内南口前のロータリーへ向かう道路と、地下駐車場への道路が分岐しています。ロータリーへ向かう道路の案内表示には「ホテル車寄せ」と書かれていました。




新橋駅から中央停車場へ向かうルートとしては、新橋駅を出るとしばらくは水道橋・東京砲兵工廠のある場所へ向かって進み、日比谷練兵場(現日比谷公園)の手前で緩やかに右へカーブして、数寄屋橋を渡った場所に有楽町駅が建設されます。その後は外堀に沿うルートで進み、鍛冶橋の手前に中央停車場を建設します。




高架鉄道や中央停車場が建設される場所というのは、岩崎弥之助(三菱商会)が陸軍から購入した土地でした。もちろん線路や停車場の建設後は土地代が弥之助が支払われることになります。中央停車場と皇居の間に挟まれる形となる丸の内には、その後三菱商会の本社をはじめ、多くのオフィスビルが立ち並ぶことになります。




1900年(明治33年)に新橋~中央停車場間の高架橋の建設工事が始まります。この前後で鉄道国有化により東京中心部の主要な鉄道はすべて国の手に帰したことから東京の鉄道網全体を国が責任を持って整備する体制となります。新橋駅から東京駅まで続いている赤レンガのアーチ橋の高架は現在でも見ることができます。




丸の内南口寄りに建っている排気棟前からJPタワー低層棟を撮影してみました。




丸の内駅者の設計作業も8年もかかって進められました。駅舎を設計したのは建築家・辰野金吾率いる辰野葛西建築事務所です。第3案として提出された両翼に乗車口・降車口を、中央に皇室口を配する基本はそのままに、これらをつなぐ中間の部分を総3階建て構造の駅舎が採用されることになりました。設計された駅舎は鉄骨煉瓦造のもので、荷重を煉瓦の壁面だけではなく鉄骨を組んだ柱や梁で支える構造になっています。




丸の内南口へ戻ってきました。次は南ウイング部に沿って散策してJR有楽町駅方面へ向かいます。



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