日比谷公園の西幸門、「西幸門前交差点」から霞ヶ関一・二丁目の中央省庁が密集しているエリアを散策していきます。昼食時までまだ2時間は時間がある霞ヶ関周辺はびっくりするほど人通りが少なく、閑散としていました。片側3車線の立派な大通りが整備されている霞ヶ関周辺の道路も交通量はそんなに多くはなかったです。
日比谷公園の敷地の西側に整然と並んでいるビル群。一番手前のビルは「合同庁舎5号館」の別館と本館です。本館には 内閣府・厚生労働省・環境省が入居していて、工事用シートに覆われている別館は人事院が入っています。
ズームで撮影すると一番奥から合同庁舎6号A棟(法務省・最高検察庁・東京高等検察庁・東京地方検察庁・東京区検察庁公安審査委員会・公安調査庁) 、B棟(公正取引委員会・東京地方検察庁・東京区検察庁)、C棟(東京家庭裁判所・東京簡易裁判所・東京地方裁判所)です。
中央省庁又は中央政府とは、「国の行政機関」と定める省とそれらの外局(委員会、庁)、および、内閣府設置法に定める内閣府とその外局(委員会、庁)を指します。また、単に「国の行政機関」もしくは中央省庁といった場合、内閣府、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)の1府12省庁を指しています。
国会通りを西へまっすぐ歩いていると、前方に「財務省庁舎」が見えてきました。霞ヶ関の官庁街と言うと、無機質なビル群に囲まれていて、制服警察官が常に警戒していて物々しいイメージがありますが、実際に歩いてみると大通りには街路樹が多く意外と穏やかな雰囲気な場所なのですね。
財務省庁舎の堂々とした雰囲気の建物と、その南側には「中央合同庁舎第7号館(霞ヶ関コモンゲート)」の2棟の高層ビルが建っています。高層ビルには文部科学省と国立教育政策研究所、科学技術政策研究所、会計検査院、民間企業等が入居しています。霞ヶ関コモンゲートは2005年10月に竣工しました。
2001年(平成13年)の中央省庁再編によって大蔵省から分割されて誕生した「財務省」は健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とするとしています。(財務省設置法第3条より)。中央省庁街の中でも特に優秀な人たちが働いていることでも有名ですね。
財務省庁舎前、国会通りと桜田通り(国道1号線)が交差している「霞ヶ関二丁目交差点」。国会通りはこの先で「潮見坂」と呼ばれている急坂となっています。この急坂を登り切るとすぐに国会議事堂前に出ることができるのですが、今回の散策では右へ曲がって桜田門経由で向かってみたいと思います。
桜田通り(国道1号線)を桜田門へ向かって歩いていきます。鬱蒼としている街路樹もまだ紅葉には程遠かったです。
農林水産省・林野庁・水産庁が入居している「中央合同庁舎第1号館」の脇を通り抜けていきます。中央省庁というよりは、大学の校舎のような雰囲気の建物でした。
大通りを挟んだ向かい側には「外務省庁舎」の建物が見えました。世界各国に特別の機関として在外公館を置いており、外交政策、外交使節、通商航海、条約等の国際法規の締結・運用、外国政府との交渉、情報収集・分析・発信、在留邦人の保護および文化広報活動など国の対外関係事務全般の業務を行っています。
「霞ヶ関一丁目交差点」に到着しました。交差点の北側には内閣府(国会等移転審議会事務局)・総務省・消防庁・国家公安委員会・警察庁・運輸安全委員会・海難審判所が入居している「中央合同庁舎第2号館」の巨大な建物が建っています。
その先をズームで撮影してみると「警視庁本部庁舎」の建物が見えました。警視庁の建物は皇居の桜田門の前に建っていますが、実際には桜田門という地名は存在せず、正式な住所は霞ヶ関二丁目となっています。
法律上は東京都の警察は飽くまで「東京都警察」であり、警視庁はその本部にあたります。警視総監がその事務を統括しますが、給与支払者は東京都知事です。他の府県警察のように管区警察局の管理下に置かれておらず、広大な面積を有する北海道警察と同じく、警察庁の直接の監督下にあります。
日本の首都である東京都を管轄している他に、天皇・皇族の警衛、立法府、行政機関、駐日大使館、総理大臣官邸等の重要施設の警備、内閣総理大臣等要人(国務大臣、主要党首、与党幹部)の警護も任務としています。すなわち「警視庁」という語は、他の道府県警察と同様の「東京都を所管する警察本部」という意味と、他の道府県警察と異なる「日本国の首都警備を担う警察」という意味を併せ持つといえます(ただし皇宮警察本部は警察庁の所管です)。
しばらく歩いていると、右手に赤レンガの庁舎が見えてきました。
歴史的建造物(重要文化財)に指定されている「法務省旧本館(中央合同庁舎第6号館赤れんが棟)」です。旧司法省庁舎として1895年に竣工したドイツ・ネオバロック様式の歴史主義建築であり、戦時中に空襲によって被災した後の1950年に法務府庁舎(1952年からは法務省本館)として再利用されることになります。
その時の改修工事では屋根材(スレートから瓦)等に変更が加えられました。しかし1994年の改修工事では文化財としての観点から創建時の外観に戻され、法務総合研究所及び法務図書館として利用されるようになります。同年12月27日には国の重要文化財に指定されています。
次回の記事では桜田濠に沿って歩いて国会議事堂前へ向かいます。