みどりの野原

野原の便り

10月22日 奥飛鳥 探検・・

2009年10月22日 | Weblog
いい天気。奥飛鳥へ行く? 奥飛鳥のどこへ行く? 入谷へ行こうか。

車でぐんぐん高度を上げ、入谷集落のバス停のあった広場に駐車。

コニュニティバスは3年ぐらい前、下の栢森が終点となりここまで来
なくなった。「小学生がいなくなったらバスも来なくなる」と聞いた。

畑仕事のおじさんに聞いたら今は入谷にはは19軒が住んでいるという。
かつてあった入谷分校はずっと前、昭和44年に廃校になっている。

 
集落から登ったところに大仁保神社がある。入谷集落 下が栢森集落

ネットで見るとご祭神の仁徳天皇は稲渕の宇須多岐比命神社に合祀
されているらしい。わきに神武天皇・明治天皇が祀られていた。
神社は集落では一番高い場所にあり、見晴らしも良い。
涼しい風に吹かれて休憩。集落内の標高差は100mもあるらしい。

 
     オニルリソウの残り花       シロダモの実と花   

さて、神社を抜けて出発したが、道が谷で行き止まりになっており、
神社まで戻って下の道を行く。
この道は大海皇子が吉野へ逃れた時に通ったという説もある竜在峠
への道だ。

途中に入谷水源地の道標があり、降りてみるが、谷を渡る丸木5本ぐ
らい並べた苔蒸した橋の向こうは道が崩れてなくなっており、また
引き返す。

  
左)この道も土が流れ小石がむき出しの谷底のような道になっている
が登るのには差し支えない。 右)ツリバナ

ツリバナやニシキギ・トキリマメ・マタタビの黄色くなった実などを
見ながらぐんぐん高度を上げる。

そして空が明るくなったと思ったら、広い草原になった尾根に出た。
もう12時半もとっくに過ぎていて、格好のお弁当の場所だ。
あ~お腹がすいた。

 
それにしてもなんと気持ちのいいところだろう。
山の雑木も紅葉が始まり、ススキが風になびき、青い空。
どこか遠くの高原へ来たみたい。

ここから左へ行けば竜在峠へ出るという。その途中に北の谷の作業道
への入り口があるはずとのNさんの言葉に、行ってみることに。


なるほど少し下ったところに道標があった。
中の谷は何度か通ったことがある。
ここから竜在峠まではかなり登るらしい。
道標を確認して広場へ引き返す。
 
広場から右へは行けそう? 道はある?
ススキを分け入ってみる。シカ?の通り道らしく、糞が続いていた。
その先はやっぱり道になっていた。ここを降りてみることになった。

 
きれいな秋の山 ツタの紅葉 わあきれい。よかったねここへ来て。 

草花をみながら順調な下り。
ところが30分ほど下ったところで道が崩れてなくなっていた。
台風の爪痕。
どうする? 行ける? 戻る? エエ~ッあの道もう一度登るの?
向こうに道はあるからここさえ通過すればなんとかなりそう・・という
ことで・・・


こわ~い。持つとこない。つかまる枝を探して、ぎゃあぎゃあいい
ながら難儀している先頭の私を後ろの二人がゲラゲラ笑う。
木の枝に引っかかりそうになりながらやっと向こうへ渡った。
笑ってた後ろの2人も自分が渡るときには顔が引きつっていた。
とにかく3人揃ってホッ!
  
その後倒木もあったが乗り越えて下っていくと、山の中に石垣があった。
古いものだが、藁を束ねた?ようなものもあり、人工物が出てきたから
にはもうすぐ人里に出るに違いないと希望をもつ。

それにしてもこの立派な石垣は何だろう。ひょっとしてここは高取城
の近く? 自分たちがどこを歩いているのかわからない。

又山になった。その林道が今度は谷の所でプッツンと途切れた。
その先は崩れていたり倒木があったりはするが、乗り越えてもその先に
道はない。
左は谷。谷を渡れば道は? なさそう。

どうする? 谷へ下りて向こうへ渡り山を登ってみる?
それとも引き返す? あの崩れたところをもう1回渡るの?

ちょっと待って、少し前に左へ入る細い道があったような気がする。
少し戻ってみると思った通り細いけれど「道」だ。
やれやれ遭難は免れた? だいぶ下ったのでもうそろそろどこかへ
出てもいいはず。ちょっと前が明るいともうそこだと喜んでいると、
また山の中に入る。

おにぎり残しといたらよかったわ。ほんまや。飴ならあるよ。お茶もまだ
ある。お菓子もちょっと残ってるわ。もう1枚上着もってきたらよかった
なあ。
もし上市へ出たらどうする?車置いてあるし。お金かき集めてタクシーか。
私は栢森あたりに来てると思う。高取あたりちゃう?

こんなところで遭難したら「おばちゃんの3人組は無茶して・・」なん
て言われそうやね。

言いながらさっきからずっと笑いっぱなしなのは面白いのか?自棄笑いな
のか。

また前が明るくなった。木の間から屋根?らしいものがちらりと見えた。
やったあ! もうすぐや。
喜んだものの道はまた上に登って竹やぶの中へ。

あかん離れていくやん。これは違うで。
左は谷。谷に降りよう。滑り降りるように降りて、谷を渡り、よじ登ると
また石垣があった。その縁を歩いて行くと、前方に畑が見えた。
そこにおじさんとおばさんの姿が・・・

 
「わあ人間や~」「畑や~」これで助かった。
ここはどこやろう。見当がつかない。

イノシシ避けの柵のために畑まで行くのは容易ではなかったがやっと
その畑に着いた。
「ここはどこですか?」「明日香村や」「明日香村のどこですか?」
「入谷や」  「あんたらどこから来たん?」「入谷です」なんて
やり取りが・・・山の上で賑やかな声が聞こえていたらしい。
「よかったよかった。4時になったらこの辺は日が暮れるんや」と
おじさん。

山をぐるりと(だいぶ遠くまで)回ってきたらしい。
さっき見た石垣は?「あれは城跡やのうて家の跡や」昔の集落跡らしい。
そうだったのか。高取はあっちや。まったく方向違いの方を指さされた。

「ところで私たちが車を止めたところはどこですか?」という変な質問
に、おじさんは「あの道のあの電柱の向こうにあ墓があってそこを・・」
と丁寧に教えてくださった。

駐車場所まで道を歩きながらまだ笑い続けている。今度は安心の笑いだ。
一時は冷や汗だった。

でもまあ日暮になる前に、しかも駐車場所にほど近い入谷へ降りて来た
なんて、なんてラッキーな私たち。

「面白かったね」無事に降りてきたから言える。
さすがに又行こうねとは今は言えなかった。あかんあかん冒険し過ぎは。
コメント (2)
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