La douce vie

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「ミザリー」と足音と私

2005-11-11 | cinema/観劇/舞台
ミザリー」を観たりタイトルを聞くたびに苦々しい思い出がよみがえる。
随分前のこと、TVで「ミザリー」を放送することを知った私は楽しみに家路につこうとしていた。本当はホラーとか怖いものは苦手だけど、キャシー・ベイツの演技の評判も高く、主人公が作家であることから原作者のスティーブン・キングを重ねてしまうこの映画はなんだか見たい気にさせられていた。
最寄駅から徒歩でとぼとぼ歩いていると、等間隔で男性の足音が聞こえる。ちょっとイヤな予感がして歩調を速めると、足音男も歩調が速まった。
私の頭の中は「ミザリー」と「足音男」とを行ったり来たり。歩調をさらに加速させても足音男もさらに加速させている。ツカツカツカツカ…ミザリー、足音、ミザリー、足音…私の頭の中は小パニック状態だった。
ようやく家が近づいたその時、「すみません!」と足音男が声を掛けてきた。でも、私の頭の中は「ミザリー」も絡んで恐怖が頂点に達していた。
人間、本当に恐怖にかられた時は「きゃー」なんてかわいい声はでないです。
「ひぃ~っ!」と悲鳴をあげて家に駆け込む私の背中に足音男が一言「違うのに…」
その一言でやっと足音男は道を訊きたかったのだろう、と理解。でも、私はすでに家の中に入っていた。ごめんね、足音男。
でも、私の頭の中は「ミザリー」でいっぱいだったのだ。