曲がったレバーを直そうとする。が、アルミの柔らかい物の筈が、そう簡単には直せない。
それどころか無理に伸ばそうとすると、必ず途中で折れてしまう。
そうなると乗りにくいことこの上ないから、もう一、二度経験したら交換なんて考えは思いつかないようにして、黄鶴楼の軒庇のように、或いはペルシャの靴のように、素敵なカーブを描いたまま乗り続ける。
そして思う。
「何でこんなに曲がり易いんだ?もっと頑丈な鉄かなんかで作りゃいいのに」
能く見るとレバーという奴は先に行くにつれて細くなっている。
怪我をしないようにということなんだろうが一番端は丸い球のようになっている。
更にその球はご丁寧にアルミが勿体ないからか、空洞になっている。せこい。けちくさい。
それよりこの珠、あんまりでかすぎるんじゃないか。
それにこの「先に行くにつれて細くなる」ってのも、釣り竿ならわかるよ?撓(しな)らなきゃならないんだもの。
けどレバーはアルミでできている。撓るわけじゃない。復元力はゼロに近い。
その証拠に一度曲がったら曲がりっぱなし。
そのくせ曲がったのを直そうとしても、こんな妙な形状だから、針金を真直ぐにするようなわけにはいかない。
で、下手に力を入れると簡単に亀裂が入り、すぐ折れる。
以前に飛行機の翼のことを書いた。
離陸のために滑走路へ移動するとき、「ええっ?」と思うくらい翼が上下に揺れていた。間違いなく翼端は数十センチ幅で上下に揺れている。折れるんじゃないか!?
こいつが離陸のために更に滑走速度を上げた時はもっと驚いた。一メートル近く、上に撓っている。
もう一度。「折れるんじゃないか!?」
間の悪いことに、近くの席の子供が
「きゃ~!こわい~!落ちるぅ~~っ!!」
と叫び続ける。うれしがってはしゃいでいるのが声の調子でわかる。
でも、こっちは初飛行機だ、初フライトだ。ホントにこわいんだ。ちぇすと行け!って自分を叱咤してるんだ。
そう思ってたら、やっと隣の席に座っていた子供の母親が
「静かにしなさい!」
、と注意した。
見ると、お母さん、目をつぶって下を向いている。お母さんも初フライト。
おかげで一気に緊張がほぐれた。
「撓らなければ、機体の重さで根元から折れてしまう」
実はブレーキレバーも同じ意味合いで作られている。
まったく撓りのない金属や、堅い金属で作られていたら、転倒時の衝撃はそのままハンドルに伝わり、車体に伝わる。衝撃で、電装系、駆動系、フレーム等を確実に傷める。
早い話、台所で洗い物をしていて手が滑る。セメントの流しなら、低いところからでも茶碗は割れる。ステンレスの流しなら衝撃を吸収してくれる分、割れない(勿論、♪運が悪けりゃ割れるのさ~♪)。
ついでながらハンドルミラーは自体を護るために、取り付け時、ネジをあまり強く締めないようにするんだそうだ。自分でやって、ミラーの角度調整を走りながらやったりするとアームが緩んで慌ててしまうことがあるけど。
一番先に地面に当たる可能性の高いハンドル、その先のレバーだからこそ、普段には不都合を感じない程度の堅さを持つアルミで作り、いざという時の車体への衝撃を緩和する仕事をしてもらう。
こうしてみると、普段もフル回転で仕事をしていて、いざという時は身を投げ出して・・・。
えらい!
まあ、こうやって何とかかんとか理由をつけなければバイクなんて乗れないよね。
ということはやっぱり
「理由をつけてでも乗りたくなるもの」
なんだな。
乗らなきゃ分からない。
「プディングの味は食べなきゃ分からない」、だ。
それどころか無理に伸ばそうとすると、必ず途中で折れてしまう。
そうなると乗りにくいことこの上ないから、もう一、二度経験したら交換なんて考えは思いつかないようにして、黄鶴楼の軒庇のように、或いはペルシャの靴のように、素敵なカーブを描いたまま乗り続ける。
そして思う。
「何でこんなに曲がり易いんだ?もっと頑丈な鉄かなんかで作りゃいいのに」
能く見るとレバーという奴は先に行くにつれて細くなっている。
怪我をしないようにということなんだろうが一番端は丸い球のようになっている。
更にその球はご丁寧にアルミが勿体ないからか、空洞になっている。せこい。けちくさい。
それよりこの珠、あんまりでかすぎるんじゃないか。
それにこの「先に行くにつれて細くなる」ってのも、釣り竿ならわかるよ?撓(しな)らなきゃならないんだもの。
けどレバーはアルミでできている。撓るわけじゃない。復元力はゼロに近い。
その証拠に一度曲がったら曲がりっぱなし。
そのくせ曲がったのを直そうとしても、こんな妙な形状だから、針金を真直ぐにするようなわけにはいかない。
で、下手に力を入れると簡単に亀裂が入り、すぐ折れる。
以前に飛行機の翼のことを書いた。
離陸のために滑走路へ移動するとき、「ええっ?」と思うくらい翼が上下に揺れていた。間違いなく翼端は数十センチ幅で上下に揺れている。折れるんじゃないか!?
こいつが離陸のために更に滑走速度を上げた時はもっと驚いた。一メートル近く、上に撓っている。
もう一度。「折れるんじゃないか!?」
間の悪いことに、近くの席の子供が
「きゃ~!こわい~!落ちるぅ~~っ!!」
と叫び続ける。うれしがってはしゃいでいるのが声の調子でわかる。
でも、こっちは初飛行機だ、初フライトだ。ホントにこわいんだ。ちぇすと行け!って自分を叱咤してるんだ。
そう思ってたら、やっと隣の席に座っていた子供の母親が
「静かにしなさい!」
、と注意した。
見ると、お母さん、目をつぶって下を向いている。お母さんも初フライト。
おかげで一気に緊張がほぐれた。
「撓らなければ、機体の重さで根元から折れてしまう」
実はブレーキレバーも同じ意味合いで作られている。
まったく撓りのない金属や、堅い金属で作られていたら、転倒時の衝撃はそのままハンドルに伝わり、車体に伝わる。衝撃で、電装系、駆動系、フレーム等を確実に傷める。
早い話、台所で洗い物をしていて手が滑る。セメントの流しなら、低いところからでも茶碗は割れる。ステンレスの流しなら衝撃を吸収してくれる分、割れない(勿論、♪運が悪けりゃ割れるのさ~♪)。
ついでながらハンドルミラーは自体を護るために、取り付け時、ネジをあまり強く締めないようにするんだそうだ。自分でやって、ミラーの角度調整を走りながらやったりするとアームが緩んで慌ててしまうことがあるけど。
一番先に地面に当たる可能性の高いハンドル、その先のレバーだからこそ、普段には不都合を感じない程度の堅さを持つアルミで作り、いざという時の車体への衝撃を緩和する仕事をしてもらう。
こうしてみると、普段もフル回転で仕事をしていて、いざという時は身を投げ出して・・・。
えらい!
まあ、こうやって何とかかんとか理由をつけなければバイクなんて乗れないよね。
ということはやっぱり
「理由をつけてでも乗りたくなるもの」
なんだな。
乗らなきゃ分からない。
「プディングの味は食べなきゃ分からない」、だ。