CubとSRと

ただの日記

「楽」と「楽しい」の間

2018年11月10日 | バイク 車 ツーリング
 事情あって、今日は小説の一部を転載。
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 今まで街中でよく見かけ、誰でも乗っているように見えた原付。爺さんのバイク屋から家までの数kmの帰路で散々疲れさせられた。
 何とか三速までギアを上げて走る方法は覚えたけど、自転車の早漕ぎ程度のスピードしか出せなかった。それ以上スロットルを開けようにも身体が恐怖を覚えてしまう。後ろから来た車が次々と自分の横を追い越していったことを思い出し、軽く身震いする。
 普段見ている新聞配達や出前、あるいは通学で原付に乗っている人はこんな凄いことをしているのかと改めて思い知らされる。奨学金の蓄えをはたいて買ったのを失敗だとは思わないけど、これは自分を望む場所に連れていってくれる魔法の乗り物ではないのかもと思い始めた。
 自転車が肉体のカロリーを消費するように、原付は距離と速度に相応の精神負担を強いる。どうやらこの原付というものは、乗せて連れていってくれるものではなく一緒に走るものらしい。


  ⦅ 「スーパーカブ」   (3)初走行 より ⦆
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 クルマは「楽」。
 バイクは「楽しい」。
 ・・・・のだけれど、「楽しい」に至るまでの時間は人それぞれ。
 ただ、クルマと違って身体全体が外気に晒されている、ということが「楽しい」への近道になる。
 転載文の中のこの一言。
 「どうやらこの原付というものは、乗せて連れていってくれるものではなく一緒に走るものらしい。」 
 「一緒に走る」。確かにその気にならなきゃ走ってくれない。
 「クルマだって自分が運転していたら『乗せて連れていってくれる』わけじゃないだろ?」
 と言う人もあるかもしれないけど、やっぱりちょっと前傾姿勢で走るバイクの方が「お任せ」感は少ない。



コメント
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