CubとSRと

ただの日記

通勤バイク(続き)

2018年11月22日 | バイク 車 ツーリング
 見事にはまっているからと言って、笑っている場合ではない。とにかく抜け出さなければならない。
 けど、見事にはまっている。左右に隙間がない。
 この時いきなり起き上がったりすると、もし怪我をしていたら怪我を酷くしてしまう、なんてことがある。
 まずは、身体を動かしてみること。痛いところ、動きにくいところは・・・?なかった。
 これは「氷川清話」で学んだ。
 海舟が或る時落馬して、しばらく動かなかった。従者が心配して駆け寄ると
 「慌てるな。何でもない」
 といっておもむろに起き上がったから、従者が不平を言うと
 「慌てて起きたりすると、怪我をしていたら余計に酷くなる。だから起き上がらないで具合を確かめていたのだ」
 と強がりを言った(と従者は思った)。
 強がり半分、真実半分・・・、と思う。次の危険が差し迫っているなら、そんなことは言ってられないが、そうでないなら、慌てて起き上がるより自分の身体だ、ちゃんと確認してからの方が良いに決まっている。
 
 さて起き上がろうとするが、書いた通りで、反転すらできないくらいの狭さだ。もう腹筋運動式で上体を起こすしかない。
 上体を起こし、側溝の縁に指を掛けてやっと外に出ることができた。
 出てみて、改めて側溝の幅が狭かったことや、そこに身体をぶつけることもなくすっぽりとハマってしまっていたことを再確認し、何だかひたすら感心してしまった。
 撥ね上げられたのではなく、単純に掬い上げられて、そのまま放り出された。上から叩きつけられたのではなく、ピザ窯の中にピザ用のスコップみたいなやつで滑り込むように投げ出された、と言うのが一番近い感じか。
 カブは、と見ると、当然、少し前方に横倒し。側溝にははまってない。
 首を巡らすと、5メートルくらい後ろに、側溝に脱輪した乗用車が見えた。
 カブは左のリアサスペンションが曲がって動かせない。
 「緊急時の通勤バイクにも~」、は、たった一日。
 腹が立ったのは、翌日上司に「頭は大丈夫か」と問われたこと。「脳神経外科に行け」、と。
 心配して言ってくれているのだとは思ったが、身体は大丈夫、という報告をした後の、この言葉だったので
 「ん?どういうこと」としか思えなかったんだけど、どうも本当のところは
 「二日続けて事故に遭う、ということは、一回目の事故で神経をやられているに違いない。二回目の事故は自分の異常行動から事故になったのでは?」
 と考えたから、らしい。
 いずれにせよ、常々「バイクは危ない」と言っている人だったから、僻み根性でそう聞こえたのか。
 それとも本当に頭がおかしくなっていたのか。
 10:0。相手が修理、治療費共、全額負担する。カブも買い替えてもらって、と言われたが、このカブ、もう生産してないわけだから。変形したリアサス、サイドスタンド等、交換してもらって、それから20年余り。今も乗っている。
 今は通勤してないから、SRと肩を並べている。「cubとSRのある隠居生活」だ。
 
 
コメント
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