船橋情報ビジネス専門学校

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10秒間のロマンス

2018-07-24 17:09:31 | Weblog
就職指導室の徳永です。

「最近気になったニュースは何ですか」は就職の面接試験で定番となっていますが、
広告代理店や広告制作会社の面接試験で必ず出るのが「最近気になったCMは何ですか」という質問です。
私の、最近気になっているCMは、FM東京で流れる小田急ロマンスカーのCMです。
たった10秒ほどの長さのCMですが、とっても完成度の高いCMだと思います。
このCMは午前9時59分45秒にスタート。
『もうすぐロマンスカーの発車時刻です』とシンプルなナレーションが入ります。
『間もなく』ではなく、『もうすぐ』が使われているのが印象的です。
駅のアナウンスでは『間もなく列車が発車します』ですが、急かされている気にもなります。
しかし、『もうすぐ』というと期待感がグンと広がります。
例えば『間もなく夏休み』『もうすぐ夏休み』。
いかかですか。『もうすぐ』の威力を感じた方もいらっしゃることでしょう。
 
CMのバックに流れているコマーシャルソングは「ロマンスをもう一度」という2002年の楽曲です。
『あなたはいまどの空を見ているの ほんとうの遠い日を見ているの』と歌っています。
女性の作詞かと思ったらコピーライターの上野泰明さんの作詞で、
透き通った声で歌うのはシンガーソングライターの葛谷葉子さんです。
最後にダメ押しのヒグラシの鳴き声が入り、夏の季節感が盛り上がります。
 
9時59分55秒を過ぎ、発車時刻(ラジオでは時報)を迎えるのかと思うと、時報には別の会社のCMが入ります。
発車時刻は実際のロマンスカーで迎えてくださいというメッセージでしょうか。
たった10秒のCMですが、ロマンスカーが夏の期待感を満載して走りだしそうですね。
このCMソングは車内放送でもチャイムとして使われています。
CMから現実の世界へ、この広がる空気感がCM制作の醍醐味といったところでしょうか。

このCMは、TVではおなじみで、女性一人旅(富士)編、家族編、社員旅行編、卒業旅行編、有休編などいろいろなバージョンがあります。
道路の手すりに迷うデンデンムシを主人公の女性が手に取り植木に返すシーン、
家族編では、こどもがセルフサービスのお茶を家族分乗せて運ぶシーン、
有休編では旅館の廊下で出会った女性が振り返った姿が一秒間映るところなどは、まるで映画の世界へ引きづりこまれたような感覚です。
このCMを制作している株式会社青空(東京・南麻布)は、「完成品に一工夫入れている」ような作品を発表し続けています。
しかし、映像が伴うと空想の域は限られます。
ラジオの音声だけのCMは限りない広がりがあります。
10秒間のロマンス旅、ぜひ楽しんでみてくださいね。
(●●編は私が勝手に付けました。実際には富士編などと命名されています)

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