こんにちは、就職指導室の遠藤です。
2019年のノーベル賞、日本人では吉野彰さんが受賞しました。受賞の理由は、リチウムイオン電池開発への貢献です。リチウムイオン電池は、スマホ/タブレット/ノートPC/自動車/航空機等々の電源として、現代社会にかかせないものになっています。
12月10日は、ノーベル賞の授賞式です。授賞式には吉野さんも出席され、メディアへの露出も増えますので、注目して下さい。
「ロウソクの科学」とは、吉野彰さんが小学生の時、担任の先生から勧められて読んだ本です。ノーベル賞の受賞会見では、当時、面白くて読みふけり、化学者を目指すきっかけになったと述懐していました。
早速、Amazonでクリックして取り寄せました。著者はマイケルファラデー教授です。ファラデー教授は、電磁気学の基礎をつくった教授で、ファラデーの法則で有名です。ファラデーの法則で有名な教授が、児童向けの本を著述していたとは、はじめて知りました。
「ロウソクの科学」は、1本のローソクが燃えるところからはじまり、次から次へと新しい疑問を提示し、答えていくスタイルです。さらに凄いところは、決してロウソクから離れることなく、延々とロウソクについての疑問を提示し続ける展開をしています。
吉野さんは読みふけったと述懐していますが、今の私が読んでもワクワク感が凄く、知的な好奇心を刺激されまくられる本です。小中学生で、この本に出会った人は、ラッキーだったかもしれません。吉野さんをはじめ、感化された小中学生は、「世の中には、学校の教科書の範囲では、分からないことがたくさんある」と感じたことでしょう。そして、教科書ごときで四苦八苦している場合じゃないと、焦燥感に駆られたのではないでしょうか。
そういえば、昨年(2018年)にノーベル賞を受賞した本庶佑教授の名言は、「教科書を信じてはいけない。」でした。
さて、私から皆さんに現代的なロウソクに関する問題を提供しましょう。
「無重力の空間で、ロウソクは燃えるでしょうか?」
例えば、日本人の宇宙飛行士も滞在するISS(国際宇宙ステーション)の船内でロウソクに点火したらどうなるかを考えて下さい。地球上との違いは、重力の有無だけです。そして、ロウソクを取り巻く空気は、地上と同じであると考えて下さい。
少し整理しましょう。
- ロウソクが燃える条件は、何ですか。
- ロウソクが燃える条件は、重力がなくても成立しますか。
答えは、ネットを検索すると見つかると思います。でも、それでは面白くありませんよ。しばらく考えて、自分なりの答えを推察してから検索してみて下さい。
(追記) 「ロウソクの科学」は、3階ホールの図書コーナーに収納しています。実際に手にとってみて下さい。