荒川流域に広がる田んぼに水が入り五月の青い空と白い雲を映しています。
植えられたばかりの稲の苗が少し寒そうに振るえています。
GWの楽しみは田植えの終わった近所の農道をオートバイで走ること。
走っていると桃源郷の田園風景に溶け込んでいくような不思議な気持ちになります。
まず、農作業中のトラクターや軽トラの邪魔にならぬよう、小高い土手から眺め、「あみだくじ」のような農道を走るコースを決めます。
いざ、走り始めると、サイクリングの集団が急に出てきたり、直角に曲がるところに泥が打ち上げられていたりして結構スリリング。きっと、トラクターが直角に曲がるときタイヤの溝に挟まった泥をまき散らしたに違いない。直角の泥道、300Kgを超える大型バイクを時速10キロで操るのもリスキーですが、通過達成の達成感もあります。
今年は発見もありました。ゆっくり走行していたせいでしょうか。
水路でタニシが群生しているのを見つけたのです。
タニシを食べたのは小学生のころだったろうか。
農業をしていた祖母の家で味噌汁の具として入っていて、その濃厚な風味を今でも覚えています。
その後、食糧事情が急速によくなったからでしょうか。中学から今までタニシを見たこともなければ、食べたこともないです。今までタニシがいなかったのはなぜだろう。農薬のせいかもしれないなどと推測しながら。
最近、タニシの発生がお米の収穫量を10%増やすという話をどこかで聞きました。
一説に、タニシの語源が「田守」とも言われています。
あの斎藤茂吉さんが次の一首を詠んでいます。
「とほき世のかりよびんがのわたくし児田螺はぬるきみづ恋ひにけり」。
かりよびんが(迦陵頻伽=上半身が天女、下半身がクジャク。仏教で想像上の生き物)
茂吉さんの一首で田螺(タニシ)はファンタジーの世界へ誘います。
タニシに出会えてよかったと思う今年のGWでした(就職指導室 徳永)。