花冷えだった信州も今日は初夏を思わせる気候。一気に花が咲き始めました。今日は陣場平へノイバラやヤマフジの除去に行きました。貝母は、昔は奈良を中心として信州にもあちこちに薬草畑としてあったようですが、現在はこれだけの群生地はどこにもないようです。非常に貴重です。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。
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日当たりの良い場所から咲き始めています。落葉松林の中の群生は、まだ蕾ですが、かなり膨らんでいます。作業をしていると、顔なじみが次々に訪れました。偶然に立ち寄った男性も。今週末に、松代夢空間主催のハイキングが行われ、私がインタープリターをしますが、満開になっていることでしょう。参加者には、この山の自然と歴史を、大学の講義を聴くぐらいの濃い内容を分かりやすく面白くお話します。
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(左)陣場平に氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草のシロヤブケマンが一輪咲いていました。(中)ノビル(野蒜)。こじきネギなんて呼ばれますが、栄養豊富で古事記にも登場する山菜。古事記葱と呼ぶべきです。二株ほど採取してノビル餃子にします。絶品です。(右)ウバユリ(姥百合)の若葉。山菜ですが、片葉が出てから開花するまで7年はかかる植物です。一度食したことがありますが、以後は採らないようにしています。小さな群生地には10株ほど生えていました。
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堂平大塚古墳からの眺め。21日のハイキングでも訪れ、ここの歴史の説明をします。古代から現代まで驚愕の歴史がある場所です。千曲川河川敷のドロヤナギの緑も濃くなってきました。
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(左)ムスカリで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶:Celastrina argiolus Linnaeus)シジミチョウ科ルリシジミ属。幼虫の食草はマメ科、バラ科、ミズキ科、タデ科、ミカン科などの花。食草の種類が多いためか、北信濃では比較的よく見られるシジミチョウです。ヤマトシジミと似ていますが、後翅の斑紋の違いや濃さ、目の色がルリシジミは黒、ヤマトシジミは灰褐色などで分かります。飛翔の際の大きなオスの瑠璃色の羽はとても美しく見応えがあります。(右)テングチョウ(天狗蝶、学名:Libythea celtis)は、チョウ目タテハチョウ科テングチョウ亜科のチョウの1種。鼻先が長く天狗のようです。なかなか翅を広げたカットを撮影するのは困難です。
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妻女山(旧赤坂山)展望台から西の仁科三山。中央は爺ヶ岳、右に日本で五番目、信州で初めての氷河が確認されたカクネ里の大きな谷が。平家の落人伝説があります。鹿島神社とも深いつながりが。
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北には右に白狐に載った烏天狗が祭神の飯綱神社がある飯縄山。年間250万人が上る東京の高尾山薬王院の祭神でもあります。烏天狗の古代ユダヤ人説、徐福伝説。左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。もうすぐ千曲川河川敷の桃が咲き、土手の菜の花が咲き、桃源郷が生まれます。今日は、陣場平や展望台で、たくさんの方にこの山の自然や歴史をお話することができました。
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早速、夕食に作った野蒜餃子。雨が降っていないので少々筋っぽいのは残念でしたが、味は抜群でした。ノビルは有史以前に中国から帰化した植物で、「古事記」にも登場するなど昔から利用されてきました。栄養も豊富な他に薬効もあり、強壮、食欲増進、健胃、鎮咳、整腸、保温、虫さされに効果があるといわれています。
◉ノビル餃子のオリジナルレシピ。
◉4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
◉松城夢空間ホームページ
◉GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。
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日当たりの良い場所から咲き始めています。落葉松林の中の群生は、まだ蕾ですが、かなり膨らんでいます。作業をしていると、顔なじみが次々に訪れました。偶然に立ち寄った男性も。今週末に、松代夢空間主催のハイキングが行われ、私がインタープリターをしますが、満開になっていることでしょう。参加者には、この山の自然と歴史を、大学の講義を聴くぐらいの濃い内容を分かりやすく面白くお話します。
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(左)陣場平に氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草のシロヤブケマンが一輪咲いていました。(中)ノビル(野蒜)。こじきネギなんて呼ばれますが、栄養豊富で古事記にも登場する山菜。古事記葱と呼ぶべきです。二株ほど採取してノビル餃子にします。絶品です。(右)ウバユリ(姥百合)の若葉。山菜ですが、片葉が出てから開花するまで7年はかかる植物です。一度食したことがありますが、以後は採らないようにしています。小さな群生地には10株ほど生えていました。
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堂平大塚古墳からの眺め。21日のハイキングでも訪れ、ここの歴史の説明をします。古代から現代まで驚愕の歴史がある場所です。千曲川河川敷のドロヤナギの緑も濃くなってきました。
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(左)ムスカリで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶:Celastrina argiolus Linnaeus)シジミチョウ科ルリシジミ属。幼虫の食草はマメ科、バラ科、ミズキ科、タデ科、ミカン科などの花。食草の種類が多いためか、北信濃では比較的よく見られるシジミチョウです。ヤマトシジミと似ていますが、後翅の斑紋の違いや濃さ、目の色がルリシジミは黒、ヤマトシジミは灰褐色などで分かります。飛翔の際の大きなオスの瑠璃色の羽はとても美しく見応えがあります。(右)テングチョウ(天狗蝶、学名:Libythea celtis)は、チョウ目タテハチョウ科テングチョウ亜科のチョウの1種。鼻先が長く天狗のようです。なかなか翅を広げたカットを撮影するのは困難です。
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妻女山(旧赤坂山)展望台から西の仁科三山。中央は爺ヶ岳、右に日本で五番目、信州で初めての氷河が確認されたカクネ里の大きな谷が。平家の落人伝説があります。鹿島神社とも深いつながりが。
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北には右に白狐に載った烏天狗が祭神の飯綱神社がある飯縄山。年間250万人が上る東京の高尾山薬王院の祭神でもあります。烏天狗の古代ユダヤ人説、徐福伝説。左に戸隠連峰と戸隠富士と呼ばれる高妻山。もうすぐ千曲川河川敷の桃が咲き、土手の菜の花が咲き、桃源郷が生まれます。今日は、陣場平や展望台で、たくさんの方にこの山の自然や歴史をお話することができました。
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早速、夕食に作った野蒜餃子。雨が降っていないので少々筋っぽいのは残念でしたが、味は抜群でした。ノビルは有史以前に中国から帰化した植物で、「古事記」にも登場するなど昔から利用されてきました。栄養も豊富な他に薬効もあり、強壮、食欲増進、健胃、鎮咳、整腸、保温、虫さされに効果があるといわれています。
◉ノビル餃子のオリジナルレシピ。
◉4月21日(日)に、松代夢空間のハイキング「妻女山 花と歴史のハイキング」を行います。満開の貝母の群生地(上杉謙信陣城跡)や、斎場山(旧妻女山・上杉謙信本陣跡)などを案内します。私がインタープリターをし、自然や歴史について時に面白おかしくお話しながらハイキングをします。参加費2000円で、下山後は「はなや」さんでのあんず御膳もつきます。非常にリーズナブルだと思います。参加希望の方は、松代夢空間にお問い合わせください。拙書の販売も行います。 ℡026-278-1277
◉松城夢空間ホームページ
◉GWの前半は、山菜採りと松代夢空間のハイキングと春爛漫の髻山へ(妻女山里山通信)
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。