昼休み、撮影に雨上がりの山へ。この時間が最もオオムラサキが活性化し吸汁に飛び回る時間なのです。雨上がりで湿度の高い午前中は、翅が重いのかなかなか飛び回りません。午後になって気温が上がるとお昼寝の時間なのです。
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オオムラサキのオスが盛んに舞っています。ジッと地面に下り立つのを待ちます。蝶の撮影は一に辛抱、二に辛抱。待つのみです。いつ来るとも分からない女神を待つようなものなんです。一頭のオスが下り立ち地面に口吻を挿して、ゆっくりと翅を閉じたり開いたりしながら吸水を始めました。地中に染み込んだ雨水は、単に水分だけでなく、腐葉土の塩分やミネラルが含まれているのでしょう。
神社の濡れ縁の下の乾燥した砂場で口吻を挿して何かを吸っているオオムラサキ。以前も目撃しましたが、20分近くも吸っていました。事後に確かめると、そこには全く水分がなく(濡れ縁の真下なので雨も当たらない)、何を吸っていたのか全く不明です。ちょうど居合わせた蝶ハンターのSさんにそのことを話すと、彼もその不可思議な生態に気づいていて、本当に不思議だねと言っていました。このような生態は、どこにも紹介されていません。一番右の写真は、柱に染み込んだ僅かな雨水を吸っているところです。これなら分かります。
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広いギャップに出るとクジャクチョウが舞っていました。日本産の亜種につけられている学名はNymphalis io geisha(芸者)なんです。メスグロヒョウモンのメスを発見! 暗茶褐色の翅に白のコントラスト。青色の流れるような滲みが本当に美しい蝶。オスは黄色と黒の、所謂ヒョウモンチョウ特有の色で雌雄で全く違う色合いが不可思議。ヨシの葉に留まるキマダラセセリ。大きな丸い頭に大きな目が愛らしい。
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森のギャップの真ん中の大木、クマノミズキの花が咲き始めました。この花は色々な虫達のお気に入りで、たくさんの昆虫たちが吸蜜に訪れます。
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ハルジオンに吸蜜するアゲハチョウ。蜜が少ないので、あちこちの花を次々に訪れるので撮影が大変でした。しかも吸蜜中はずっと翅を羽ばたいています。アゲハチョウを見ると脳内でポルノグラフィティの 「アゲハ蝶」が再生されます(笑)。本当にいい曲です。
~あなたに逢えた それだけでよかった 世界に光が満ちた 夢で逢えるだけでよかったのに 愛されたいと願ってしまった 世界が表情を変えた 世の果てでは空と海が交じる~
~あなたが望むのなら この身など いつでも差し出していい 降り注ぐ火の粉の盾になろう ただそこに一握り残った僕の想いを すくい上げて心の隅において~
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梢に留まって何を見ているのだろうオオムラサキ。地面で吸水中は、時に非常に危険です。ここは神社の境内なので、草もまばらで敵もよく見えますが、森のギャップの草むらでは、草陰に潜むトカゲやカナヘビが見えません。襲われて餌食になるものや翅がもぎ取られるものもいるのです。蝶の目は複眼で凸面なので比較的全方位が見えますが、やはり真後ろは見えないようです。蝶の撮影の時は、真後ろから近づくのも有効な方法です。
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羽化したてのオオムラサキのオスは、翅も傷んでいないので本当に綺麗です。紫と言いますが、実際はコバルトブルーに近い色合いです。この色は翅の持つ色素の色ではなく、構造色なのです。それ自体に色はないのですが、その微細な構造により光が干渉して、この様な美しい色合いを醸し出しているのです。それにしても自然は、不可思議で信じられないほど美しい文様を作り出すものです。そう思って人体を見ると、なんてシンプルで飾り気がないのでしょう。だから服や化粧で飾るのでしょうか。
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マクロ撮影をしていると、どうして逃げないのと聞く人がいます。確かに普通はこんなに寄ったら即座に逃げます。近づくだけで逃げてしまいます。右の写真はレンズフードから蝶まで6センチぐらいでしょうか。コツがあるにはあるのですが、説明するのは難しいです。時には指や服に留まることもあります。そうですね、お友達になることです。
オオムラサキの目には瞳があるように見えます。どこから撮ってもこちらを見ているように見えますが、これは偽瞳孔なのです。名前の通り偽もので、いつもこちらを向いているので見つめられているような気がしますが、光の入射角がこちらに向かっていると、光を全て吸収するため黒く見えるのです。複眼の前の二本の角は、下唇鬚(かしんしゅ)といって、匂いを感じたり、複眼や口吻を掃除するものといわれています。
メスが舞っているのを見ました。遅れて発生します。今年は発生数がやや少ないので心配しています。千曲市の松枯れ病のベトナム戦争の枯葉剤と同タイプの神経毒のネオニコチノイド系農薬空中散布の悪影響でなければいいのですが。実際、ゼフィルスやハナアブは絶滅状態と言っていいほど激減しています。ヤマトシジミがシロツメクサで吸蜜中を発見。たった一頭しかいません。例年ならたくさんいるはずのツバメシジミもウラゴマダラシジミも全く見かけません。4年前まではニホンミツバチもいたのですが、全く見なくなりました。見かけるのは養蜂場が飼っているセイヨウミツバチのみ。虫の次は野生動物、そして人間です。
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妻女山から望む中尾山とその向こうの陣場平山。積乱雲が見えますが、今日は夕立はなさそうです。この美しい里山が、福一の放射能で汚染されたのです。犀川以北の山菜やキノコからは、高濃度の放射性物質が検出されています。詳細は長野県のホームページで。すでに北半球全体にたった一粒吸引しただけで癌になるホットパーティクルが飛散しています。安全性バイアスにかかった人から、情報弱者から死んでいくのです。原発=核は生物学上もっとも反動的なものです。
右は会津比売神社。祭神の会津比売命は、諏訪大社の祭神、建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)の子、出速雄命(いずはやおのみこと)の子です。しかも、神武天皇の子、神八井耳命(かむやいみみのみこと)の子孫といわれる、大和王権より初代科野(信濃)国造に任ぜられた武五百建命(たけいおたつのみこと)[古事記]の室(妻)といわれているのです。古代科野国の産土神(うぶすながみ)と呼ばれる所以です。
★オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
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★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。
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オオムラサキのオスが盛んに舞っています。ジッと地面に下り立つのを待ちます。蝶の撮影は一に辛抱、二に辛抱。待つのみです。いつ来るとも分からない女神を待つようなものなんです。一頭のオスが下り立ち地面に口吻を挿して、ゆっくりと翅を閉じたり開いたりしながら吸水を始めました。地中に染み込んだ雨水は、単に水分だけでなく、腐葉土の塩分やミネラルが含まれているのでしょう。
神社の濡れ縁の下の乾燥した砂場で口吻を挿して何かを吸っているオオムラサキ。以前も目撃しましたが、20分近くも吸っていました。事後に確かめると、そこには全く水分がなく(濡れ縁の真下なので雨も当たらない)、何を吸っていたのか全く不明です。ちょうど居合わせた蝶ハンターのSさんにそのことを話すと、彼もその不可思議な生態に気づいていて、本当に不思議だねと言っていました。このような生態は、どこにも紹介されていません。一番右の写真は、柱に染み込んだ僅かな雨水を吸っているところです。これなら分かります。
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広いギャップに出るとクジャクチョウが舞っていました。日本産の亜種につけられている学名はNymphalis io geisha(芸者)なんです。メスグロヒョウモンのメスを発見! 暗茶褐色の翅に白のコントラスト。青色の流れるような滲みが本当に美しい蝶。オスは黄色と黒の、所謂ヒョウモンチョウ特有の色で雌雄で全く違う色合いが不可思議。ヨシの葉に留まるキマダラセセリ。大きな丸い頭に大きな目が愛らしい。
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森のギャップの真ん中の大木、クマノミズキの花が咲き始めました。この花は色々な虫達のお気に入りで、たくさんの昆虫たちが吸蜜に訪れます。
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ハルジオンに吸蜜するアゲハチョウ。蜜が少ないので、あちこちの花を次々に訪れるので撮影が大変でした。しかも吸蜜中はずっと翅を羽ばたいています。アゲハチョウを見ると脳内でポルノグラフィティの 「アゲハ蝶」が再生されます(笑)。本当にいい曲です。
~あなたに逢えた それだけでよかった 世界に光が満ちた 夢で逢えるだけでよかったのに 愛されたいと願ってしまった 世界が表情を変えた 世の果てでは空と海が交じる~
~あなたが望むのなら この身など いつでも差し出していい 降り注ぐ火の粉の盾になろう ただそこに一握り残った僕の想いを すくい上げて心の隅において~
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梢に留まって何を見ているのだろうオオムラサキ。地面で吸水中は、時に非常に危険です。ここは神社の境内なので、草もまばらで敵もよく見えますが、森のギャップの草むらでは、草陰に潜むトカゲやカナヘビが見えません。襲われて餌食になるものや翅がもぎ取られるものもいるのです。蝶の目は複眼で凸面なので比較的全方位が見えますが、やはり真後ろは見えないようです。蝶の撮影の時は、真後ろから近づくのも有効な方法です。
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羽化したてのオオムラサキのオスは、翅も傷んでいないので本当に綺麗です。紫と言いますが、実際はコバルトブルーに近い色合いです。この色は翅の持つ色素の色ではなく、構造色なのです。それ自体に色はないのですが、その微細な構造により光が干渉して、この様な美しい色合いを醸し出しているのです。それにしても自然は、不可思議で信じられないほど美しい文様を作り出すものです。そう思って人体を見ると、なんてシンプルで飾り気がないのでしょう。だから服や化粧で飾るのでしょうか。
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マクロ撮影をしていると、どうして逃げないのと聞く人がいます。確かに普通はこんなに寄ったら即座に逃げます。近づくだけで逃げてしまいます。右の写真はレンズフードから蝶まで6センチぐらいでしょうか。コツがあるにはあるのですが、説明するのは難しいです。時には指や服に留まることもあります。そうですね、お友達になることです。
オオムラサキの目には瞳があるように見えます。どこから撮ってもこちらを見ているように見えますが、これは偽瞳孔なのです。名前の通り偽もので、いつもこちらを向いているので見つめられているような気がしますが、光の入射角がこちらに向かっていると、光を全て吸収するため黒く見えるのです。複眼の前の二本の角は、下唇鬚(かしんしゅ)といって、匂いを感じたり、複眼や口吻を掃除するものといわれています。
メスが舞っているのを見ました。遅れて発生します。今年は発生数がやや少ないので心配しています。千曲市の松枯れ病のベトナム戦争の枯葉剤と同タイプの神経毒のネオニコチノイド系農薬空中散布の悪影響でなければいいのですが。実際、ゼフィルスやハナアブは絶滅状態と言っていいほど激減しています。ヤマトシジミがシロツメクサで吸蜜中を発見。たった一頭しかいません。例年ならたくさんいるはずのツバメシジミもウラゴマダラシジミも全く見かけません。4年前まではニホンミツバチもいたのですが、全く見なくなりました。見かけるのは養蜂場が飼っているセイヨウミツバチのみ。虫の次は野生動物、そして人間です。
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妻女山から望む中尾山とその向こうの陣場平山。積乱雲が見えますが、今日は夕立はなさそうです。この美しい里山が、福一の放射能で汚染されたのです。犀川以北の山菜やキノコからは、高濃度の放射性物質が検出されています。詳細は長野県のホームページで。すでに北半球全体にたった一粒吸引しただけで癌になるホットパーティクルが飛散しています。安全性バイアスにかかった人から、情報弱者から死んでいくのです。原発=核は生物学上もっとも反動的なものです。
右は会津比売神社。祭神の会津比売命は、諏訪大社の祭神、建御名方富命(たけみなかたとみのみこと)の子、出速雄命(いずはやおのみこと)の子です。しかも、神武天皇の子、神八井耳命(かむやいみみのみこと)の子孫といわれる、大和王権より初代科野(信濃)国造に任ぜられた武五百建命(たけいおたつのみこと)[古事記]の室(妻)といわれているのです。古代科野国の産土神(うぶすながみ)と呼ばれる所以です。
★オオムラサキの保護活動、妻女山里山デザイン・プロジェクトの記録。目次の一番下の妻女山SDPをクリック!
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★ネイチャーフォトのスライドショーは、【Youtube-saijouzan】をご覧ください。粘菌やオオムラサキ、ニホンカモシカのスライドショー、トレッキングのスライドショーがご覧頂けます。