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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山もゼフィルスの季節。ミズイロオナガシジミ・ウラゴマダラシジミ・ウラナミアカシジミ(妻女山里山通信)

2020-06-12 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨入り前の晴天。妻女山でもゼフィルスが舞い始めました。毎日何人かの蝶マニアが撮影に訪れていました。貴重な情報交換もできるのです。里は34度の日もありましたが、山上は3,4度低く、爽風も吹いて快適でした。いつも応援ありがとうございます。11日に信州も梅雨入りしました。と思ったら沖縄は梅雨明けとか。梅雨明けが早いとすると、今まで梅雨前線でブロックされていたフィリピンやインドネシアの火山噴火の灰が南風に乗って日本列島を覆うのでしょうか。1993年の様な冷夏と凶作にならないか心配です。
 まず貝母の群生地がある陣場平へ行ったのですが、ゼフはいませんでした。代わりに白い蝶が何頭も高いところで舞っていました。ウスバシロチョウは消えたので違う蝶です。モンシロチョウとも舞い方が違います。下りてこないので同定できません。なんでしょう。戻ろうとすると、目の前をタヌキが猛スピードで駆け抜けて行きました。また、長坂峠で9日に今年初のオオムラサキのオスを確認しました。

 ヨウシュヤマゴボウの葉の上にミズイロオナガシジミを発見。コナラの多い森でよく見られます。午前中だったので活性が低く撮影できました。水色といいますが、翅の表は暗い灰色。幼虫の食草は、クヌギ、コナラ、ミズナラ、カシワなどです。

(左)ウツギ(空木)ユキノシタ科ウツギ属。幹が中空なので空木。別名を卯の花といって「夏は来ぬ」の歌詞の「卯の花の、匂う垣根に 時鳥、早も来鳴きて 忍音もらす、夏は来ぬ」の卯の花のことです。実はウツギに香りはないのですが、「匂う」は古語の「にほふ」で、香り立つことではなく、視覚的な美しさが映えることをいうのだそうです。(右)ネジキ(捩木)アセビと同様に有毒植物。別名をカシオシミといいますが、貸し惜しみか。由来は不明。樹木のねじれは、「旋回木理」、英語では「スパイラル・グレイン」”spiral grain” といいます。昔から、左ねじれの木材は割材に向いており、右ねじれのものは梁や接合部分に向いているというそうです。

(左)キボシアシナガバチ(スズメバチ科)。葉の裏に巣を作っている様です。(右)マガリケムシヒキ(ムシヒキアブ科)のメス。ハナアブやガガンボ、蝶などを捕え、体液を吸います。

 ウラゴマダラシジミ(裏胡麻斑小灰蝶)。イボタノキの葉が食草で、成虫はイボタノキの花の蜜も吸います。そのためイボタノキの近くにいることが多いチョウです。ゼフィルスの中では、最も早く発生します。

 シモツケ(下野)バラ科シモツケ属。別名は、キシモツケ(木下野)。シモツケの葉は、卵形や披針形ですが、シモツケソウの葉は掌状に5~7に深裂します。シモツケソウは、バラ科シモツケソウ属。どちらも葉の縁に鋸歯があります。

(左)ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)バラ科ヘビイチゴ属。ヤブヘビイチゴは、葉がヘビイチゴより大きく緑が濃いめで実は大きく艶があります。日影の林床を好みます。(右)ヘビイチゴ(蛇苺)。葉が三枚ですが、雄しべがやや大きめで花びらの間に隙間があり花びらの下に襟巻きのような大きめの葉があります。赤い実には艶がありません。林の縁など日当たりのよい場所を好みます。実はどちらも無毒ですが味がなく不味いので食用には不適。漢方薬で、生薬名で蛇苺(じゃも)といい、解熱、通経に。焼酎漬けにして、虫刺されやニキビに。

 ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰)チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。食樹は、ブナ科コナラ属のコナラ、クヌギ、カシワなど。成虫は、クリなどの花に吸蜜に訪れます。昼間は不活発で夕方になると盛んに飛び始めます。

(左)ギョウジャニンニク(行者大蒜)。花後で実がなっています。(右)ユキノシタ(雪の下、虎耳草、鴨脚草、鴨足草、金糸荷)。葉は天ぷらに。塩ゆでして和えものや煮物に。

 林道倉科坂線の入り口から松代方面の眺め。左に拙書でもいくつかコースを載せている奇妙山。その奇妙な名前のいわれも記しています。右奥にやはり載せている根子岳と四阿山。

(左)ナワシロイチゴ(苗代苺:Rubus parvifolius)バラ科キイチゴ属。ツル性の落葉低木。赤い実は生食できますが、ジャムにすると美味。(右)つる植物の花なのですが、なんでしょう。不明です。

 天城山(てしろやま)手前の伐採地から俯瞰する千曲川と上信越自動車道と松代パーキングエリア。名産の長芋のとろろ蕎麦やおにかけが食べられます。地元野菜や山菜の直売所もあります。403号からも入れます。左遠くにエムウェーブが光っています。
 昼はログハウスを借りたのですが、向かうと大きなニホンカモシカが逃げていきました。この季節は交尾のためにオスが、鞍骨山とか遠くからメスを求めて下りてくるのです。運が良ければ、オスがメスを追いかけるシーンや、交尾のシーンを見ることができます。

これ以外の蝶は、左のアーカイブから各年の6、7、8月か、下記のサイトをご覧ください。
MORI MORI KIDS Nature Photograph Galleryの蝶・蜻蛉の1〜7をご覧ください。のマークが有る画像をクリックすると拡大します。

Liszt - La Campanella — Alice Sara Ott

アリス紗良オットの「ラ・カンパネラ」。おそらく19歳の時の演奏、関連動画でその後の演奏も観られる。もちろん完成度は高いが、この初々しい情熱に満ちた演奏に惹かれる。昨年彼女は、難病の多発性硬化症を発症したことを公表した。一時は将来への不安にさいなまれた彼女だが、病気を理解し、その後コンサートも開催した。ピアニスト界のジャンヌ・ダルクと称される彼女。これからも応援します。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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