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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

錦秋の聖山へ紅葉狩り。360度のパノラマを堪能。北アルプス仁科三山、白馬三山の雄姿。舞茸の栽培開始(妻女山里山通信)

2022-11-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 文化の日は朝からこれ以上無いほどの秋晴れでした。聖山は長野県の小学生が遠足で最も多く登る山で、33校が登ったそうです。今回の三和峠には大きな駐車場がないので、大岡村の聖山パノラマホテルから登るのでしょう。私も出会って、昆虫や花の説明をしてあげたことがあります。山頂までは40〜60分ぐらい。

 三和峠の登山口。すでに車が3台。近くの空き地にも4台、奥の路肩にも2台。紅葉も見頃とテレビで紹介されていましたが、さすが人気の山です。登山口から風越(1308m)まで標高差100mの急登が始まります。二番目の急登は特にきつい。短いけれどきついのです。体調がもうひとつだったので、度々休みながら登りました。普通は山頂まで50〜60分ぐらいですが、今回は脇道に入ったり森に入ったりしたので2倍かかりました。その分紅葉も楽しめました。

 風越に登ると、聖峠まではこんなアップダウンの少ない散歩道が続きます。右側(北面)は緩斜面で別荘地があります。左側(南面)は崖上の急斜面です。北側は落葉松林が多く、南側は広葉樹を中心とした自然林です。白樺も見られます。

 落葉松も黄葉しています。ちょっと強い風が吹くとチリチリと音を立てて黄土色の落ち葉の雨が降ってきます。

 コバノガマズミの実。以前紹介しましたがルビー色の綺麗なお酒ができます。抗酸化作用が強く老化防止にもいいという酸味の強いリキュールです。

 ハウチワカエデの紅葉。やや色が薄いのは冷え込みが緩いからでしょう。

 近づけないのではっきりしませんが、アブラツツジ(油躑躅)ツツジ科ドウダンツツジ属でしょうか。

 ウメノキゴケ科でしょう。排気ガスに弱く、大気汚染の指標となる菌類です。地衣類は、大部分は子のう菌に属する菌類なんですが、光合成ができないため菌糸で作られた構造の内部に藻類が共生して、藻類が光合成で作り出す合成産物によって生活しています。両者の間には高度な共生関係が成立しているのです。

 ヒメギフチョウの幼虫の食草ウスバサイシン。昨年の5月に撮影してブログにアップしました。邂逅できる確率はかなり低いかも知れません。

 聖峠から山頂への登りが始まります。山頂のアンテナが見えます。南北を結ぶ登山道は塩の道といわれた古道です。山ガール二人とすれ違いました。若い登山者が増えるのは嬉しいですね。ぜひ拙書を買って下さい(笑)。

 ウバユリの実。開くと中からプレパラートの様な薄い種がたくさん飛び出し舞っていきました。ただ発芽率は低い様で、大きな群生地というのは見たことがありません。若葉は山菜ですが、発芽してから花が咲くまで7年もかかるので採らないようにしています。

 大きなブナが見えたら山頂はすぐそこです。昨年の5月にこのあたりで下の藪から月の輪熊が登ってきて、大声と大きな音を立てて追い払ったことがあります。姿は見えませんでしたが20mぐらいでしょうか。バキバキと枝を踏みつけて登ってきました。イノシシはブヒブヒいうので分かります。ニホンカモシカやシカは音を立てません。根子岳でも追い払ったことがあります。30m位で目があったら静かに後退りすることです。背中を見せて逃げると襲われます。熊鈴にホイッスルは必携。山では音に敏感になって下さい。

 山頂には10人ぐらいいました。途中ですれ違った人を含めると30人以上が登ったと思います。左は大林山。右の台形の山は拙書の表紙になっている子檀嶺岳(こまゆみだけ)。その奥が独鈷山。いずれも拙書で紹介している魅力ある里山です。遠くの山は金峰山とか奥秩父の山々。雲取山は見えているでしょうか。谷の奥の修那羅峠の石仏群は必見といえます。

 眼下に麻績村と長野自動車道。その後背にそびえる四阿屋山。右奥のアンテナは美ヶ原の王ヶ頭。左に富士山の様な蓼科山。その右奥は南アルプスでしょう。

 善光寺平の眺め。眼下に千曲川の流れ。右(南)から伸びる妻女山から鏡台山への戸神山脈。何本もの尾根が北に向かって伸びています。奥は焼額山や岩菅山などの奥志賀高原の山々。

 右は飯縄山。左に下がって瑪瑙山。中央に双耳峰の様に見える右側が黒姫山、左は御巣鷹山。左の富士山の様にみえるのは妙高山。手前の里山山脈は、陣場平山や富士ノ塔山。手前は長野市七二会の集落。中腹を小川村まで集落を結ぶ道路は、絶景のサイクリングルート。

 北アルプスのパノラマは山頂からだとアンテナや樹木が邪魔になります。北西に舗装路(アンテナの巡視路)を100mほど下るとこの様な絶景が見られます。左に仁科三山。右に白馬三山。右へ続く栂海新道を下ると親不知で日本海。

 仁科三山。左から爺ヶ岳、長野県初の氷河があるカクネ里の鹿島槍ヶ岳、武田菱の雪形で有名な五竜岳。

 白馬三山。白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。白馬五竜スキー場や白馬八方尾根スキー場が見えます。栂池高原へ濡れると透明になるサンカヨウを撮影に行った記事もあります。ブログ内検索でどうぞ。

 下山します。聖峠近くのマユミの実。近くに桂の木が何本かあり、甘い香りが充満していました。

 逆光に光るハウチワカエデの紅葉。

 聖湖の紅葉。多くの太公望がへらぶな釣りをしています。展望台は拙書で紹介の三峯山。1131.4m。「風林火山」や「ペルセポネーの泪」のロケ地となった大池から登るコースもお勧め。息子と待ち合わせているので妻女山へ急ぎます。

 舞茸菌糸を培養した「榾木」を彼が頂いたので埋め込みます。絶対に分からない場所二箇所に埋めました。最後の一つはプランターに。赤玉土を敷き、鹿沼土で覆います。最後に腐葉土を3センチの厚さで敷いて完成。来年の秋に出る予定。4〜6年は収穫できるそうです。楽しみです。

 その後キノコ狩りを少ししたのですが、見たことのないキノコを発見。匂いはいいのですが。図鑑やネットで調べましたが同定できません。とりあえず澄まし汁にしてみました。味はムラサキシメジの様です。食感もムラサキシメジそっくり。美味です。少し食べて半日以上経って元気なので毒キノコではない様です。何なのでしょう。と思っていたら夕食に全部食べて3時間後に吐きました。微毒でしょうが毒キノコでした(笑)。猛毒のキノコも一度は食べられますが二度目はありません。ご注意を。
 右は、ウスヒラタケ、クリタケ、ハタケシメジ、ムキタケの天然キノコに信州人のソウルフード・ビタミンちくわと松代一本葱の小田巻き蒸し(苧環蒸し)。調べて色々研究したのですが、またまたすが入ってしまいました。まあ、味に影響はないのでいいのですが。巨大な茶碗蒸しを作るノウハウを知りたいです。次は牡蠣とか紅ズワイガニのを作りたいですね。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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