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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

上杉謙信の陣場平へ帰化植物の除草と撮影に。実山椒を摘み、咲き出した樹木の花を撮影する午後(妻女山里山通信)

2019-06-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
 昼近くに妻女山奥の陣場平へ。5日ぶりなので帰化植物の繁茂が心配でした。ヒメジョオンとオオブタクサを除草。7月には妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーを集めて人海作戦を決行します。里山保全は本当に大変ですが、やらないとすぐに荒れてしまいます。オオブタクサやセイタカアワダチソウなどは、根から他の植物の成長を阻害するアレロパシー(他感作用)をするので厄介です。

(左)手前の菱形(りょうけい)基線測点越しに見る陣場平。入ったら突然タヌキと遭遇。びっくりして逃げていきました。数は減りましたがウスバシロチョウが舞っています。他にはコミスジやカラスアゲハ、モンキチョウなども。(中)貝母(編笠百合)の実も大きくなり、枯れ始めてきました。今年は実成りがいいように思います。この種や球根を蒔いて増やします。(右)貝母の実。糸巻き状のさく果です。枯れるとホウセンカの様に弾けて飛び散ります。

(左)実に艶があるのでヤブヘビイチゴですね。(中)カメムシの仲間のアワフキムシの幼虫の巣。茎の右に黒いものが見えますが、これが幼虫です。植物の茎から液を吸い、その排泄物を泡立てて暮らしています。色んな種類がいます。(右)山椒の実。これを両手いっぱい摘みますが、けっこう時間がかかります。今回は、コウナゴではなくて、カタクチイワシの小ぶりな煮干しと煮てみました。実は一度茹でこぼします。その後、煮干しと出汁醤油で薄味に煮込んだらできあがり。食欲の落ちる梅雨時に、これをご飯にのせていただくと馬鹿旨です。

 落葉松のベンチで休憩。湿度が低く南風が快適です。BGMは蝉の声。麓の小学校では運動会の様です。懐かしい校歌が聞こえてきました。帰化植物の除草でけっこう疲れたので、友人のログハウスへ昼食に。

(左)気がつくと20年は使ってきたザックがさすがにボロボロになったので、山仕事用のザックを買いました。ポケットが7つもあるのが魅力です。(中)昼食は、石焼き窯焼きフランスパンにハーブサラダチキンとポテトサラダのサンドイッチ。タルタルソースとエキストラバージンオリーブオイルをふんだんに。舐めて喉にピリッとくるのが本物。それ以外は偽物です。(右)網を張らない徘徊性のハシリグモの仲間かな。少し色が濃いですが、この山でよく見られるイオウイロハシリグモでしょう。以前、ハナアブを捕らえたところを撮影したことがあります。

(左)カエデの仲間ですが、どうやらメグスリノキの様です。メグスリノキの成分や効能。(中)ノイバラの花。(右)モクセイ科のイボタノキ(水蝋樹・疣取木)も開花。イボタロウムシというカイガラムシの仲間の昆虫が樹皮に寄生し、分泌した白いロウ状物質であるイボタ蝋が取れ、日本刀の手入れ、家具の艶出し、織物の艶づけ、薬品などに使われます。また、ウラゴマダラシジミやイボタガの食草です。

(左)ウツギの花。卯の花です。脳内を「夏は来ぬ」の歌が流れてきます。ホトトギスはまだ鳴いていません。(右)エゴノキの花も満開です。英国で「スノーベル(雪の鐘)」といわれる様に、吊り下がったたくさんの白い花が美しい樹木です。

(左)ヤマホタルブクロが咲き始めました。(中)花の中。(右)ナワシロイチゴも咲き始めました。アシクダシ、サツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ、ウシイチゴなど別名も多い。夏になる赤い実は食べられます。

 妻女山展望台からの松代方面。先日登った大松山も見えます。保基谷岳と大松山は尾根続きで、向かいの根子岳と四阿山の間が菅平高原です。

(左)翌日は、昼頃に陣場平へ。途中で甥っ子とマウンテンバイクで来た友人の息子に遭遇。久しぶりにいろいろな話をしました。陣場平で帰化植物の除草をしていると、葉の上にウスバシロチョウが。動きません。触れてみるとわずかに腹部が動きました。その生命を終えようとしています。(右)蜘蛛の巣に引っかかって絶命したウスバシロチョウ。ウスバシロチョウの季節もまもなく終わりです。6月の末には、オオムラサキが舞い始めます。たくさん羽化するといいのですが。

(左)翌日も梅雨入り前になるべく除草をしたいと陣場平へ。終えて山蕗と実山椒を採ろうと下のギャップに行くと、旧知のSさん夫婦と邂逅。山蕗を採っていました。世間話をしながら採取。採った山蕗は一度茹でこぼします。皮を剥かなくていいのが山蕗。(右)実山椒も茹でこぼします。小枝つきのままです。同じ味ですし、煮ると違和感なく食べられます。

(左)JAのスーパーで買った小女子と身欠き鰊。身欠き鰊は山菜と一緒にと書いてあるように、この季節の定番です。(中)小女子は実山椒と薄味の出汁醤油と5分ほど煮て完成です。酒の肴に白飯のおかずに。(右)山蕗には身欠き鰊を入れて煮ます。風味付けに少し山椒の実も入れました。毎日火を入れていくので、最初はかなり薄味に。これもいいおかずになります。滋味豊かな山菜は、急激な気温変化や梅雨時の蒸し暑さに耐えられる体を作ってくれます。

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