今年初もののムラサキシメジが採れたので、ではと皆できのこ狩りへ。ところが雨が降っていないものですから、山はカラカラ。それでも湿った登山道の真ん中にムラサキシメジが一本。菌輪はないかと周囲を探すと、藪の中にささやかな菌輪。それでも7、8本を採りました。
去年は長男と山梨の山で、尾根の窪んで蛇行して登る山道にムラサキシメジが、道案内のように並んで生えていて、嬉々として採りながら登ったものでした。ムラサキシメジは、大きな菌輪を作ることが多く、出合うと一度に大量に採れるのが魅力ですが、今回はダメでした。
月の輪熊の棲息地で頻繁に目撃例がある所なので、かなり神経を使いましたが、ないものはない。やはり雨が少ないからですね。今週末の雨に期待しましょう。それでも実際は、出始めのクリタケ、ムキタケ、ナメコ、遅出のハナイグチなど、写真の5、6倍は採れました。
ムラサキシメジは、早速豆腐と澄まし汁に。なんともいえない秋の味です。枯葉臭いとか土臭いという人がいますが、南関東のものより、そういう臭みがないように思います。もっとも多少の枯葉の香りこそが自然の恵みなわけで、それが理解できないひとは食べる資格がないということでしょう。天然のきのこは、風味も格段強烈です。それが野生の力なのです。
今回は、まるで卵が転がっているようなスッポンタケの幼菌と強烈な臭いを放つ成菌を見つけました。思わずのけ反るほどケミカルで強烈な臭いのグレバは取り除いて採ります。水にさらして茹でこぼし、中華スープの具にします。中華街では結構な高級食材なんです。
そして、粘菌(変形菌)のコマメホコリの子実体。直径5ミリ以内で、未熟の時は本当にきれいなピンク色をしています。それらは、小さな虫たちのエサにもなり、てんとう虫の幼虫が食べているのを撮影したことがあります。ぜひ、ネイチャーフォトの【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】変形菌をご覧ください。
粘菌といえば、前に紹介しましたイグ・ノーベル賞を受賞した中垣さんの記事。粘菌が迷路を通れるといって知能が高いとかいうことにはならないそうです。しかし、生命の不思議を感じますね。この間のノーベル賞の、ビッグバンからゆらぎで物質と反物質のバランスがくずれ宇宙が生まれたという記事と関係があるのでしょうか。全ての物質はスピンしています。宇宙も原始レベルでも。スピンが物質の本質なのかもしれませんね。かのウィトゲンシュタインもそう言っています。スピンの作り出すものがスパイラル。遺伝子もスパイラル。回って回って回る~。
きのこ料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。
今回のきのこ狩りのフォトレポは、モリモリキッズでご覧ください。