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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

椎茸栽培のホダ木のためにクヌギを伐採したある冬の日と牡蠣の土手鍋(妻女山里山通信)

2021-12-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりの妻女山里山デザイン・プロジェクトは、椎茸栽培のホダ木のためにクヌギを伐採しました。前もって選択しておいたクヌギを伐採したのですが、掛かり木になってしまい、そこそこ苦労しました。種駒の打ち込みは来春行います。

 気温は4度。天気はまずまずです。何より寒風がないのが嬉しい。強風の日の伐倒は非常に危険です。

 まず、邪魔になりそうな細い木を伐倒します。当然ですが、事前の細かな打ち合わせが非常に大事です。掛かり木になることを予想して念入りに打ち合わせをしました。安全第一です。

 山桜などを4本ほど伐倒しました。作業の邪魔になる棘のするどいヤマガシュウも剪定ばさみで切りました。

 いよいよクヌギの伐倒です。まず倒す方向に受け口を作ります。

 こんな感じで受け口ができました。

 iPhoneのアプリで水平を測ると、おおピッタリ水平です。

 「追いづる切り」という手法で伐採します。手前につるを残して、中央部を切ります。

 こんな状態です。左のつるを切ると倒れます。偏心の程度が著しい立木、または裂けやすい木の伐倒で安全のために用いる手法です。針葉樹はたいてい円錐形で重心が分かりやすいのですが、赤松や広葉樹は偏心の程度が激しく、重心が分からないものも多いのです。大型のグラップルがあれば掴んでおいて伐倒できるのですが、それを所持して動かせる山仲間のKさんは故人です。安全に切るためには、高度な伐採技術が必要です。

 はい、予想通り掛かり木になってしまいました。これをどう倒すかが腕の見せ所です。

 根本近くにロープをかけて引っ張りましたがビクともしません。そこでロープをかける位置を1.5m上に変更。樹を揺らすと見事に倒れました。やれやれです。

 1mごとに印をつけます。

 切り株はこんなです。これで枯れてしまうわけではありません。広葉樹なので、早ければ来春に蘖(ひこばえ)が出てきます。そして数十年後には同じ様な木になります。

 細めの枝もホダ木に使えます。なるべく無駄にしないように玉切りしていきます。

 1mごとに玉切りします。生木なので非常に重いのです。

 軽トラに積んで下山。栽培地に仮置しました。来春、駒打ちします。予定では1000駒。約2年で椎茸が出始めます。ちなみに私が着ている黄土色のフィールドジャケットはLLビーンのものなのですが、独身時代に買ったもので30数年前のものなんです。でも充分に着られます。本当に気に入っています。

 お待ちかねの昼餉は、牡蠣の土手鍋。味噌は仲間と作った自家製信州味噌。ネギと白菜も自家栽培もの。天然ムキタケからいい出汁が出ます。海の幸、牡蠣の旨味と森の天然キノコのマリアージュ。絶品です。出汁は普通は昆布出汁の様ですが、ムキタケが強いので炒り子出汁とカツオ出汁のブレンドに、私の手作りの塩麹を入れてコクと旨味を出しています。

 ノンアルコールビールでゆるゆると。いなり寿司やカクテキキムチも。リンゴと柿、木曽のカブも分けました。私は木曽カブを千枚漬けにします。残りはカブのクリームシチューに。

 土手鍋に太いうどんと、天然ヒラタケ、野沢菜の葉を入れて味噌煮込みうどんにしました。非常に野趣豊かな滋味あふれる煮込みうどんができました。体が温まります。信州人しかやらないみたいですが、春先の野沢菜漬けを天ぷらにするとおかずや酒のつまみに最高です。古漬けを油炒めして包んだおやきと福建風あんかけチャーハンも絶品です。野沢菜は、必ず「本漬け・食品添加物無添加」と書いてあるものを買ってください。

 午後になって曇り始めました。そろそろお開きです。温泉へ。

クヌギの伐採 その1


クヌギの伐採 その2


クヌギの伐採 その3



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