13日(木)は、ほぼ全国的に梅雨の中休みで晴天。気温も上がりそうということで米子瀑布へ。米子瀑布は拙書でも詳しく紹介していて何度も行っているのですが、米子不動尊の本坊(里堂)に行ったことがないことに気づきました。まず、参拝に向かいました。米子大瀑布は、レンゲツツジが見頃でそれは見事でした。
(左)真田の六文銭の旗が翻る山門。(中)里堂本堂(本坊)。奥様に撮影とブログ掲載の許可をいただいています。ご住職と奥様は、いずれも真田家の後裔です。(右)本堂木鼻の唐獅子と象は、あとから取付けられたものの様です。諏訪立川流の模倣の様ですが、造形レベル技術レベルは低いです。現在は幕末から明治の様な高度な宮彫りができる職人は残念ながらいません。高い技術を持っているにもかかわらず、仏師に比べてその社会的地位が低かったことも一因かもしれません。友人の宮彫研究家(左にリンク)によると、生活は厳しかった様です。
(左)境内には多くのお堂や像があります。愛染明王が鎮座する愛染堂。良縁・縁結びの仏様。私も祈願しました。(中)子宝授かりの明神が鎮座する大岩。(右)山門の右にある小瀧。
(左)戻って米子大瀑布へ12キロのドライブ。対向車があるのでカーブではクラクションを。曇天の日はライトを点灯。鹿や猪、猿の群れに遭遇することもあります。駐車場へ。すでに何台かいました。(中)コースの看板は、まず瀑布へ向かう左回りを示していますが、実は右回りが正解です。理由は後で説明します。(右)右回りで、まず鉱山跡地の四阿へ。最初の分岐を左へ、遊歩道と書かれたコースをつづら折れで登ります。途中に熊よけの鐘があるので鳴らしましょう。
拙書では四阿まで30分(休憩を含まず)と記していますが、今回は20分で着きました。四阿から見る左に権現滝、右に不動滝。合わせて夫婦滝。滝の轟音は、ここまで聞こえます。錦秋の紅葉も見事ですが、緑溢れる瀑布もまたいいものです。四阿でお昼にしました。今回は、全粒粉の食パンにレタス、トマト、ベーコンソテー、卵焼きにタルタルソースの手作りサンドウィッチに豆乳ドリンクでした。あまりにインスタ映えしない画なので載せませんが。
大瀑布は、北東向きです。そのため朝早く来ないと日の当たった瀑布は撮影できません。そのベスト撮影ポイントが鉱山跡地なので、最初にそこに登るべきなのです。季節によっても時間は異なりますが、米子大瀑布を何度も撮影に来ている人は、皆知っています。ただ、こういうコントラストの強い画もいいものですね。
四阿から望む米子大瀑布のパノラマ。3枚のカットをフォトショップで合成していますが。左と右で光が違うので上手く合成できていません。太陽が真後ろにあると容易なのですが、横にあると厄介です。明度彩度色調調整を細かくしても限度があります。やり過ぎると作り物っぽくなってしまいます。
中央奥は根子岳、左へ大隙間、さらに左に四阿山。拙書では米子大瀑布から滝の上に登り、子根子岳−根子岳-大隙間-四阿山-浦倉山から大瀑布に戻る23キロの周回コースも紹介しています。23キロで10時間かかります。トレランの速い人は4時間で周るそうです。左の平地は、鉱山の工場や住宅地や映画館などがあった場所です。
(左)四阿の周囲や学校跡地はレンゲツツジが満開でした。(右)美しい花ですが、有毒なので絶対に蜜は吸ってはいけません。野生動物や牧場の牛も食べません。庭木にするのも厳禁です。
(左)その隣にはコンロンソウの群生地。コンロンソウは、中国西方にある崑崙山の雪にたとえたものといわれています。黄河の源で、玉を産出し、仙界とも呼ばれ、仙女の西王母がいるとされた山です。(右)花びらが4枚でアブラナ科とはすぐに分かったのですが、名前がなかなか出てきませんでした。このとき一頭のアサギマダラが吸蜜に訪れたのですが、撮影できませんでした。残念。
満開のレンゲツツジ越しに見る権現滝。下界は26〜28度ですが、ここは20度。爽風もあって快適です。何度訪れても見飽きない風景です。去りがたい静かな時間が流れていきます。
(左)鉱山跡地へ。四阿は左の広場で、学校や校庭などがあったところです。右には住宅地や精錬所、映画館や浴場があった場所。14キロ下の須坂駅や上の鉱山まで索道(ロープウェイ)がありました。ここに子供や大人が1500人も暮らしていたのです。(右)その台地から望む米子大瀑布。彼らは毎日この風景を見ながら暮らしていたのです。目を閉じると、子供達の歓声や、精錬所の機械の音が聞こえてくる様な気がします。大きなリュックを背負った高齢の男性が二人下ってきました。根曲がり竹でしょう。月輪熊の大好物でもあるので、採取は容易ではありません。皮付きのまま焼いたり、鯖の水煮缶詰との味噌汁は信州人のソウルフードです。私は淡竹で満足ですが。
その台地から北を見ると、須坂市街地や妙高が見えます。北信五岳は、「まみくとい)と覚えます。斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯綱です。
台地の下から泉坑山。右方向の山腹には鉱山の跡の穴も見えます。
(左)権現橋、不動橋を渡って米子不動尊の奥之院へ。(右)1743年(寛保3年)に、米子村の竹前氏によって本格的な採掘が始められたということですが、その竹前氏の墳墓の様です。
不動滝。以前は直下まで行けましたが、落石の危険があるので手前まで。私と息子二人は、あの真下まで行ったことがあります。現在は、許可を得た滝行の行者のみが入れます。今回は、大町から、遠くは和歌山、大阪、東京から訪れた方々と邂逅しました。こういう出会が楽しいのです。帰りに林道を下っていくと歩いている男性が。一度通り過ぎたのですが、バックして戻り話を聞くと渓流釣りの帰りとか。乗っていきませんかと。下に置いた車まで送ることに。テンカラで釣り登ってきたそうです。私も昔はフライフィッシングをしていたので、釣り談義に。釣果はと聞くと、大きなイワナが3匹とまずまずとか。米子川は金気水なので魚はいませんが、支流にはいるのだそうです。途中で別れて、私は温泉に向かいました。
米子不動尊の開山と歴史、米子瀑布群と奥之院などについては、下記リンクの公式サイトを
◉米子不動尊 本坊米子瀧山不動寺 公式サイト
◉梅雨の晴れ間の米子大瀑布(ムービー)
◉日本のギアナ高地、米子大瀑布へ。薄雪を踏んで幻のソブ池へ(妻女山里山通信) 幻想的な初冬の風景がなんとも美しい。
◉錦秋の米子大瀑布へ。瀑布の上にある幻のソブ池探索も(妻女山里山通信) やはり紅葉は素晴らしい。週末は、マイカーは入れません。シャトルバスのみです。
◉【信州の山】四阿山カルデラ一周 Mt.Azumaya from The Yonako falls in Nagano
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
(左)真田の六文銭の旗が翻る山門。(中)里堂本堂(本坊)。奥様に撮影とブログ掲載の許可をいただいています。ご住職と奥様は、いずれも真田家の後裔です。(右)本堂木鼻の唐獅子と象は、あとから取付けられたものの様です。諏訪立川流の模倣の様ですが、造形レベル技術レベルは低いです。現在は幕末から明治の様な高度な宮彫りができる職人は残念ながらいません。高い技術を持っているにもかかわらず、仏師に比べてその社会的地位が低かったことも一因かもしれません。友人の宮彫研究家(左にリンク)によると、生活は厳しかった様です。
(左)境内には多くのお堂や像があります。愛染明王が鎮座する愛染堂。良縁・縁結びの仏様。私も祈願しました。(中)子宝授かりの明神が鎮座する大岩。(右)山門の右にある小瀧。
(左)戻って米子大瀑布へ12キロのドライブ。対向車があるのでカーブではクラクションを。曇天の日はライトを点灯。鹿や猪、猿の群れに遭遇することもあります。駐車場へ。すでに何台かいました。(中)コースの看板は、まず瀑布へ向かう左回りを示していますが、実は右回りが正解です。理由は後で説明します。(右)右回りで、まず鉱山跡地の四阿へ。最初の分岐を左へ、遊歩道と書かれたコースをつづら折れで登ります。途中に熊よけの鐘があるので鳴らしましょう。
拙書では四阿まで30分(休憩を含まず)と記していますが、今回は20分で着きました。四阿から見る左に権現滝、右に不動滝。合わせて夫婦滝。滝の轟音は、ここまで聞こえます。錦秋の紅葉も見事ですが、緑溢れる瀑布もまたいいものです。四阿でお昼にしました。今回は、全粒粉の食パンにレタス、トマト、ベーコンソテー、卵焼きにタルタルソースの手作りサンドウィッチに豆乳ドリンクでした。あまりにインスタ映えしない画なので載せませんが。
大瀑布は、北東向きです。そのため朝早く来ないと日の当たった瀑布は撮影できません。そのベスト撮影ポイントが鉱山跡地なので、最初にそこに登るべきなのです。季節によっても時間は異なりますが、米子大瀑布を何度も撮影に来ている人は、皆知っています。ただ、こういうコントラストの強い画もいいものですね。
四阿から望む米子大瀑布のパノラマ。3枚のカットをフォトショップで合成していますが。左と右で光が違うので上手く合成できていません。太陽が真後ろにあると容易なのですが、横にあると厄介です。明度彩度色調調整を細かくしても限度があります。やり過ぎると作り物っぽくなってしまいます。
中央奥は根子岳、左へ大隙間、さらに左に四阿山。拙書では米子大瀑布から滝の上に登り、子根子岳−根子岳-大隙間-四阿山-浦倉山から大瀑布に戻る23キロの周回コースも紹介しています。23キロで10時間かかります。トレランの速い人は4時間で周るそうです。左の平地は、鉱山の工場や住宅地や映画館などがあった場所です。
(左)四阿の周囲や学校跡地はレンゲツツジが満開でした。(右)美しい花ですが、有毒なので絶対に蜜は吸ってはいけません。野生動物や牧場の牛も食べません。庭木にするのも厳禁です。
(左)その隣にはコンロンソウの群生地。コンロンソウは、中国西方にある崑崙山の雪にたとえたものといわれています。黄河の源で、玉を産出し、仙界とも呼ばれ、仙女の西王母がいるとされた山です。(右)花びらが4枚でアブラナ科とはすぐに分かったのですが、名前がなかなか出てきませんでした。このとき一頭のアサギマダラが吸蜜に訪れたのですが、撮影できませんでした。残念。
満開のレンゲツツジ越しに見る権現滝。下界は26〜28度ですが、ここは20度。爽風もあって快適です。何度訪れても見飽きない風景です。去りがたい静かな時間が流れていきます。
(左)鉱山跡地へ。四阿は左の広場で、学校や校庭などがあったところです。右には住宅地や精錬所、映画館や浴場があった場所。14キロ下の須坂駅や上の鉱山まで索道(ロープウェイ)がありました。ここに子供や大人が1500人も暮らしていたのです。(右)その台地から望む米子大瀑布。彼らは毎日この風景を見ながら暮らしていたのです。目を閉じると、子供達の歓声や、精錬所の機械の音が聞こえてくる様な気がします。大きなリュックを背負った高齢の男性が二人下ってきました。根曲がり竹でしょう。月輪熊の大好物でもあるので、採取は容易ではありません。皮付きのまま焼いたり、鯖の水煮缶詰との味噌汁は信州人のソウルフードです。私は淡竹で満足ですが。
その台地から北を見ると、須坂市街地や妙高が見えます。北信五岳は、「まみくとい)と覚えます。斑尾、妙高、黒姫、戸隠、飯綱です。
台地の下から泉坑山。右方向の山腹には鉱山の跡の穴も見えます。
(左)権現橋、不動橋を渡って米子不動尊の奥之院へ。(右)1743年(寛保3年)に、米子村の竹前氏によって本格的な採掘が始められたということですが、その竹前氏の墳墓の様です。
不動滝。以前は直下まで行けましたが、落石の危険があるので手前まで。私と息子二人は、あの真下まで行ったことがあります。現在は、許可を得た滝行の行者のみが入れます。今回は、大町から、遠くは和歌山、大阪、東京から訪れた方々と邂逅しました。こういう出会が楽しいのです。帰りに林道を下っていくと歩いている男性が。一度通り過ぎたのですが、バックして戻り話を聞くと渓流釣りの帰りとか。乗っていきませんかと。下に置いた車まで送ることに。テンカラで釣り登ってきたそうです。私も昔はフライフィッシングをしていたので、釣り談義に。釣果はと聞くと、大きなイワナが3匹とまずまずとか。米子川は金気水なので魚はいませんが、支流にはいるのだそうです。途中で別れて、私は温泉に向かいました。
米子不動尊の開山と歴史、米子瀑布群と奥之院などについては、下記リンクの公式サイトを
◉米子不動尊 本坊米子瀧山不動寺 公式サイト
◉梅雨の晴れ間の米子大瀑布(ムービー)
◉日本のギアナ高地、米子大瀑布へ。薄雪を踏んで幻のソブ池へ(妻女山里山通信) 幻想的な初冬の風景がなんとも美しい。
◉錦秋の米子大瀑布へ。瀑布の上にある幻のソブ池探索も(妻女山里山通信) やはり紅葉は素晴らしい。週末は、マイカーは入れません。シャトルバスのみです。
◉【信州の山】四阿山カルデラ一周 Mt.Azumaya from The Yonako falls in Nagano
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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