貴重な梅雨の晴れ間に保全と撮影で妻女山陣場平へ。雨後なので道は枯れ葉が積もった場所や粘土質の場所は泥濘状態で危険です。私や妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーは、何度も車で登っているので大丈夫ですが、四駆でも初めての方は止めたほうがいいです。雨で深くえぐれた道なので、どこをトレースすればいいか知らないと車を壊すからです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/a9/0d35413fbf53fe695122edd5c42b82a4.jpg)
陣場平でまず帰化植物の除去をしました。丸太のベンチに立てかけてあるのは作業に使う山鍬(やまくわ)。ヒメジョオンは少なくなりましたが、オオブタクサはこれからです。昨年は今頃鳴いていたカッコウとホトトギスの鳴き声がまだ聞こえません。ヒメウラナミジャノメがたくさん舞っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/ee/6807bc4b99b79071d0dd57d5b0052323.jpg)
(左)カタバミ((酢漿草・片喰)カタバミ科カタバミ属の多年草。家紋にもあり、地方名はなんと180種以上あるそうです。「すいば」は分かりますが。「すずめぐさ」「ねこあし」は可愛いですね。全草が酢漿草(サクショウソウ)という生薬で、消炎、解毒、下痢止めなどに用いられるとか。(右)陣場平のあちこちで咲いているオヤブジラミ(雄藪虱)セリ科。花は2,3ミリでアリが蜜をなめに訪れています。小さな種はいわゆるひっつき虫で、山仕事でズボンのあちこちに大量にひっつく厄介者です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/54/faf86ec90ad9df1a03320e19c25fa57a.jpg)
(左)ノビル(野蒜)の花とムカゴ。初めはネギ坊主ですが、皮が破れて蕾が現れ、次にムカゴが現れます。古事記にも登場する古くから親しまれて利用されてきた山菜です。ノビルの味噌焼きやノビル餃子は絶品です。
「いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに」(古事記:応神天皇)
「 醤酢(ひしほす)に
蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて
鯛(たひ)願ふ 吾にな見えそ
水葱(なぎ)の羹(あつもの)」(万葉集:長忌寸意吉麻呂)
(右)一度ほとんどの葉がニホンカモシカに食べられてしまったセリバオウレン(芹葉黄連)ですが、たくましくまた葉が出てきました。今は餌になる植物がたくさんあるので大丈夫でしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/aa/33cb205c128ca3fd52f45fd45f2bf757.jpg)
(左)シオヤアブかと思ったのですが、アオメアブかな。何か捕まえた様です。(右)オオヒラタシデムシ。生き物の死骸やゴミ溜めに集まる森の掃除人。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/21/ee030ad6560ae9ce62b5d91c95f9d6b0.jpg)
(左)陣場平にもオオムラサキの食草のエノキ(榎)があります。今週末辺りオスが出現してもいい頃です。(右)シナノガキ(信濃柿)の花。豆柿ともいいます。2センチぐらいの青い実を水に浸けておくと柿渋ができます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/c9/41585eb1af7a20054034623ce1c25d89.jpg)
(左)翅がボロボロです。ヒメウラナミジャノメがたくさん舞っているのですが、これはなんでしょう。ヒメジャノメ、コジャノメもいますし。実はこの後でイボタノキでアサギマダラを初見したのですが、ノイバラの向こうで近づけませんでした。(右)シマサシガメ。カメムシの仲間で、蛾や蝶の体液を吸います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/a7/06627ce3e932bf4e95f0c31d298a2ddc.jpg)
(左)イボタノキに現れたヒメトラハナムグリ(姫虎花潜)コガネムシ科。花粉を食べに来たのでしょう。幼虫は朽木内に棲み、腐朽材を摂食します。(右)ミナミヒメヒラタアブのオスがイボタノキの花に顔を突っ込んで吸蜜しています。花と同じぐらいの大きさしか無い可愛らしいハナアブです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5d/be/ee9497cff190d92a4c64c988d9dfef13.jpg)
ミナミヒメヒラタアブ。体長は8(メス)、9(オス)ミリしかありません。気がつくのさえ難しいほど。以前、オスがメスを抱えながら飛翔しているところを撮影したことがあります(下の記事中)。午後一時過ぎに小雨が降ってきたので山を下りました。途中シジミチョウを撮影に来た二人の女性と邂逅。ミズイロオナガシジミを初見したとか。色々情報を交換しました。
◉ネオニコの空中散布のない長野市茶臼山は昆虫の天国(妻女山里山通信)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/83/d6e835cfb3cef367d65fdb57512cad51.jpg)
なぜか南欧原産のウスバベニアオイの花が。隣にはゼニアオイの花も。里山に園芸種の花が捨てられることもあります。また、タイヤに付いたり土砂に混じって種子が持ち込まれることもあります。綺麗ですが、寡占する様だと除去が必要になります。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/4b/aa6171e583ed85402e8b4d0c80612255.jpg)
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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陣場平でまず帰化植物の除去をしました。丸太のベンチに立てかけてあるのは作業に使う山鍬(やまくわ)。ヒメジョオンは少なくなりましたが、オオブタクサはこれからです。昨年は今頃鳴いていたカッコウとホトトギスの鳴き声がまだ聞こえません。ヒメウラナミジャノメがたくさん舞っています。
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(左)カタバミ((酢漿草・片喰)カタバミ科カタバミ属の多年草。家紋にもあり、地方名はなんと180種以上あるそうです。「すいば」は分かりますが。「すずめぐさ」「ねこあし」は可愛いですね。全草が酢漿草(サクショウソウ)という生薬で、消炎、解毒、下痢止めなどに用いられるとか。(右)陣場平のあちこちで咲いているオヤブジラミ(雄藪虱)セリ科。花は2,3ミリでアリが蜜をなめに訪れています。小さな種はいわゆるひっつき虫で、山仕事でズボンのあちこちに大量にひっつく厄介者です。
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(左)ノビル(野蒜)の花とムカゴ。初めはネギ坊主ですが、皮が破れて蕾が現れ、次にムカゴが現れます。古事記にも登場する古くから親しまれて利用されてきた山菜です。ノビルの味噌焼きやノビル餃子は絶品です。
「いざ子ども 野蒜摘みに 蒜摘みに」(古事記:応神天皇)
「 醤酢(ひしほす)に
蒜(ひる)搗(つ)き合(か)てて
鯛(たひ)願ふ 吾にな見えそ
水葱(なぎ)の羹(あつもの)」(万葉集:長忌寸意吉麻呂)
(右)一度ほとんどの葉がニホンカモシカに食べられてしまったセリバオウレン(芹葉黄連)ですが、たくましくまた葉が出てきました。今は餌になる植物がたくさんあるので大丈夫でしょう。
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(左)シオヤアブかと思ったのですが、アオメアブかな。何か捕まえた様です。(右)オオヒラタシデムシ。生き物の死骸やゴミ溜めに集まる森の掃除人。
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(左)陣場平にもオオムラサキの食草のエノキ(榎)があります。今週末辺りオスが出現してもいい頃です。(右)シナノガキ(信濃柿)の花。豆柿ともいいます。2センチぐらいの青い実を水に浸けておくと柿渋ができます。
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(左)翅がボロボロです。ヒメウラナミジャノメがたくさん舞っているのですが、これはなんでしょう。ヒメジャノメ、コジャノメもいますし。実はこの後でイボタノキでアサギマダラを初見したのですが、ノイバラの向こうで近づけませんでした。(右)シマサシガメ。カメムシの仲間で、蛾や蝶の体液を吸います。
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(左)イボタノキに現れたヒメトラハナムグリ(姫虎花潜)コガネムシ科。花粉を食べに来たのでしょう。幼虫は朽木内に棲み、腐朽材を摂食します。(右)ミナミヒメヒラタアブのオスがイボタノキの花に顔を突っ込んで吸蜜しています。花と同じぐらいの大きさしか無い可愛らしいハナアブです。
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ミナミヒメヒラタアブ。体長は8(メス)、9(オス)ミリしかありません。気がつくのさえ難しいほど。以前、オスがメスを抱えながら飛翔しているところを撮影したことがあります(下の記事中)。午後一時過ぎに小雨が降ってきたので山を下りました。途中シジミチョウを撮影に来た二人の女性と邂逅。ミズイロオナガシジミを初見したとか。色々情報を交換しました。
◉ネオニコの空中散布のない長野市茶臼山は昆虫の天国(妻女山里山通信)
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なぜか南欧原産のウスバベニアオイの花が。隣にはゼニアオイの花も。里山に園芸種の花が捨てられることもあります。また、タイヤに付いたり土砂に混じって種子が持ち込まれることもあります。綺麗ですが、寡占する様だと除去が必要になります。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。