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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

パノラマ写真撮影の特異日。北アルプスから戸隠連峰、志賀高原、四阿山までの大パノラマ(妻女山里山通信)

2015-02-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 先週の土曜日に続いてピーカンの妻女山展望台です。西から北、東まで全く雲がありません。こんな日は年に数回しかありません。といってもこれも午前中のみ。午後には、必ず雲が出ます。先客がいて、やはり北アルプスを撮影して帰るところでした。少し話をして、山座同定をしました。

 上のカットは、13枚の写真をフォトショップで繋げてあります。なかなか根気の要る作業です。左から蓮華岳、仁科三山。白馬三山。右へ虫倉山、陣場平山と里山が続き、右へ戸隠連峰と戸隠富士の異名を持つ高妻山。右へ長野市民の山、飯縄山の大きな山塊。右へ長野市北部の里山が続き、斑尾山が顔を見せ、手前の雑木の右奥は新潟との県境の飯山の山脈。右へ高井富士の異名を持つ白く光る高社山。右へ笠ヶ岳、横手山など志賀高原の山々。更に右手前に、松代の城下と大きな山塊の奇妙山。右奥に白く光る根子岳と四阿山。一番右手前は、プリン型のピラミッドではないですよの皆神山。画像だけを表示で、もう少し大きい画像が見られます。オリジナルは、左右が3万ピクセル位あるのですが、さすがにアップできません。

 望遠カットで、まず仁科三山。左から爺ヶ岳、猫の耳の様な双耳峰の鹿島槍ヶ岳。右へ五竜岳。山頂右下に武田菱が少し現れています。これがはっきりする様になると、田植えの代掻き作業が始まるのです。北アルプスには、この様に、農作業の目安となる雪形がいくつもあります。詳しくは「北アルプスの雪形」を。手前の里山の中腹には、古代科野国の川柳将軍塚古墳があります。

 右へ白馬三山。一番左に不帰ノ嶮、天狗ノ頭と続き、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳と続きます。白馬岳の少し左手前の里山は、善光寺地震以来の度重なる地滑りで山頂が崩壊してしまった茶臼山南峰。右に写っていませんが茶臼山があります。その中腹は、茶臼山自然植物園やレッサーパンダで有名な動物園と恐竜公園になっています。
 北アルプスの山名は、必ずしも昔からあったわけでもないのです。白馬三山などは、江戸時代までは西嶽とか岳山とか言われていました。明治政府になって、日本帝国陸軍陸地測量部が、フランスに習って全国の地図を作成するために、全国に調査官を派遣しました。白馬村にも来たわけです。ところが答えられないわけです。霊峰でもなければ、そんな生活に関係のない山に名前を付ける必要もなかったのです。しかし、役人は承知しませんでした。そんなわけがなかろう。次に来るまでにちゃんと調べておけと。しかし、ないものは無いわけで。困った村人は長老の所へ行き、名前を付けてもらうことにしました。
 代掻きの頃、代馬の雪形が出るから代馬岳でいいだろう、という具合に名前を付けて行きました。で、役人が来た時にそれを伝えたわけですが、代馬岳と申請したのに、実際に出来上がった地図には白馬岳と記されていたそうです。[出典「白馬ものがたり」石沢清]
 この陸地測量部の作った地図は、こんな感じでかなりいい加減で、妻女山の様に山頂がない場所に頂上が作られたり、かなり恣意的に書き換えられています。詳細は、「妻女山の位置と名称について」を。地図というのは、最も国策が反映されるもののひとつなんです。里山は、たいてい複数の山名を持つものが普通です。尾根の反対で名称が異なるのはよくあることです。それをひとつにしてしまうのが政治です。政治力のある方がたいてい優先されます。それと、国土地理院の三角点は、必ずしも地元でいう山頂にはないことがあることも知っておくべきです。国土地理院の地図が、正確な山名を表しているわけではない場合もあるのです。

 真ん中から左が、戸隠連峰の西岳の山脈。右が戸隠山のある山脈と、右奥に戸隠富士の異名を持つ高妻山。戸隠は修験の山で、戸隠忍法の発祥の地でもあります。千曲市の雨宮からあんずの里の森へ行く途中に富士見橋なるものがあります。南には山が連なって富士山など見えないのに不思議だなと思っていましたが、北を見ると戸隠富士が綺麗に見えるのです。

 その右手前にそびえる飯縄山。北信五岳のひとつで、長野市民の山。都民ならたいてい高尾山に登る様に、長野市民ならたいてい一度は登る山です。ちなみに高尾山薬王院は飯縄大権現を祀っています。飯縄権現は、古くから戦勝の神として信仰され、上杉謙信や武田信玄が信仰していたことでも知られています。多くの場合、神が烏天狗という形であることから、古くは秦(羽田)氏の様に古代ユダヤとの関係も考えられますね。

 高井富士と呼ばれる高社山。この山を境に、北と南で天候が激変します。冬期は写真の様にこちら側の里にはほとんど雪がなくても、向こう側は真っ白だったりします。中腹の白い部分はブドウやリンゴの果樹園が主です。左手前に、長野オリンピックで使われたMウェーブが見えますね。

 再び飯縄山ですが、右手前に完成間近の、ACながのパルセイロのホームスタジアムが見えます。その左は体育館とプール。その左が、冬期長野オリンピックの開閉会式が行われたオリンピック・スタジアムです。

 ACながのパルセイロのホームスタジアムを望遠で撮影してみました。芝生もほとんど植えられたそうです。コンパクトですが、非常によくできたスタジアムだと思います。完成間近の工事の進捗状況は、こちらで分かります。駐車場は、公園全体で1400台。試合当日はシャトルバスも出ます。
 今日は、最高気温が14.5度にもなりました。週間天気予報でも最高気温が9度、8度とか。やっと信州にも春の兆しが。しかし、最低気温はまだまだ零下です。気温差が10度以上あるので、体調管理には気をつけないといけません。もっとも、4月になると気温差が20度を越えるんですけどね。「木の芽時」は、大抵の人が多かれ少なかれ自律神経失調症になります(笑)。それが北国の春です。

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