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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ヒメウラナミジャノメ、イチモンジチョウ、ウラゴマダラシジミ。蝶の季節(妻女山里山通信)

2021-06-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨の晴れ間に妻女山山系へ。ウスバシロチョウが姿を消してしばらく端境期でしたが、そろそろ新しい蝶の季節です。前夜に激しい雨が降った翌日の午前中は湿度が高いため、蝶は地上付近に下りてきません。二日目の晴れの午前中を狙います。

 まずヨモギで日向ぼっこするヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)と邂逅。少し日向ぼっこをしたらフワフワと舞い別の葉へ。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、チヂミザサなど。

(左)砂利の上のヒメウラナミジャノメ。翅の裏が波模様です。(右)小さなハルジオンの花で吸蜜するのは、更に小さなアカガネコハナバチ。コハナバチ科のハチは、種類も多く同定が困難です。ややピン甘の横向きのカットからそう同定しました。全体が金属光沢。土の中に巣を作り、地中の花粉ダンゴで幼虫を育てます。

(左)林道入口の登山ノートの箱の下に、N氏が地図を付けてくれました。斎場山、陣馬平、天城山、鞍骨山への行き方が分かります。(右)宙吊りになっていたコナラを蔓を切って落としました。100キロ近くあるので大変危険でした。最後の蔓を切り落とすとドサッと落ちました。その後の蔓の処理のほうが手間がかかって大変でしたが、これで安心して通過できます。

(左)オカトラノオが咲き始めました。(右)そろそろオオムラサキも羽化するので、樹液が出るようにコナラの木に傷をつけました。昔のように薪を取るために枝を切ったりしないので、自然に出る樹液だけでは昆虫の餌が足りません。この傷をオオスズメバチやミヤマカミキリなどが更に深く穴を開けて樹液が出る様になります。

(左)セリバオウレンの葉も艶々しています。(右)ネムノキ(合歓木)も蕾が出ています。7月にはピンク色の美しい花が咲きます。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があるのが特徴です。

 4月は満開の貝母(編笠百合)で、大勢の人が訪れた陣場平。現在も蝶や鳥を撮影に来る人、歴史マニア。ハイカーが訪れます。サンコウチョウやシジュウカラなどのさえずりが聞こえます。クロメマトイが煩いのでタオルを振り回しながら。

 陣場平中央にある苔むした倒木。苔の胞子嚢が見えます。

(左)小枝の上で休むのは、コジャノメ(小蛇目)。ヒメジャノメと似ていますが、白色帯が大きな蛇の目のところで曲がっています。幼虫の食草は、アシボソ、チジミザサ、ススキなど。(右)ウラゴマダラシジミがあちこちで散見されます。幼虫の食樹はイボタノキ。林道整備の時に、こういう食樹や食草を切らないでください。コナラや山桜の幼木やクララなどです。

 ウラゴマダラシジミ(裏胡麻斑小灰蝶)シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。かなり近づいても逃げないので、望遠マクロからマクロレンズに取り替えて最接近して撮影しました。美しい。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 昼は堂平大塚古墳のログハウスを借りました。左向こうに篠山が見えます。北アルプスは中腹だけ見えます。いろんな種類の小鳥のさえずりが聞こえます。

(左)ベニボタル科の一種。初めて見た種類です。生息地は分かったので、いいカットを撮影したいですね。(右)昼食は、フォッカッチャにとんかつソースとオリーブ油を塗り、メンチカツ、ポテトサラダ、トマトを。マヨネーズとマジックソルトで味付け。ルイボスティーを飲みながらいただきました。

 温泉に入って直売所で淡竹の筍を購入。親戚の山に行けばいくらでも採れるのですが、ずくがなくそんなに数もいらないので。サバの水煮缶詰と玉ねぎとで味噌汁を。上部にあるのは豆乳おからパウダー。右のご飯は、枝豆と塩昆布で和えて。味変にはねり梅を加えます。これはおにぎりにしても馬鹿旨です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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