ゴールデン・ウィークの前半は、妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々と上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳に登りました。荒れ模様だった前日とは違い、朝からピーカンの好日でした。
(左)信州の鎌倉と呼ばれる塩田平からの夫神岳。コースは主に別所温泉からと青木村からのコースがあるのですが、今回は後者です。(中)まるべりーオートキャンプ場上の登山口駐車場から出発。トイレもあります。(右)獣害避けの扉横にジグザグに抜ける登山者用の通路があります。イノシシはここを抜けられないのでしょうか。そうならば他の山も取り入れて欲しいですね。
(左)林道歩きの後に月波(つくば)の泉。甘露です。(中・右)そのすぐ上のくらおかみ大明神。ここで休憩。この祠は説明文によると、寛文五年(1665)に建て替えられたといいます。おかみ信仰は高龗(淤加美:おかみ)と闇(くら)龗(淤加美:おかみ)の二柱の神で、雨の神、水の神で、遠い昔の雨乞いの歴史を今に伝えるもの。この夫神信仰が元になり麓の村は夫神郷と呼ばれるようになった。この社に夏祭りの時に奉納されるしなり織りは、雨の神、龍神の姿をあらわすものとされる。「とおき世に 雨を祈りて 祀るてふ 泉のかたえ くらおかみたつ」※PCの環境によっては文字化けします
(左)林道や登山道脇に咲く花々。マキノスミレがあちこちで咲いていました。(中)ネコノメソウの仲間。ネコノメソウは種類が多く、同定はなかなか困難です。(右)シロバナエンレイソウ。咲き始めでした。
(左)雨量の少ない塩田平ですが、北側だからかあちこちに美しいスギゴケが見られました。(中)小さなホンドサルオガセ。(右)うつむいて咲くモミジイチゴも散見。
(左)キンポウゲ科イチリンソウ属のアズマイチゲ。スプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)と呼ばれる花のひとつです。(中)シダ類の一種でしょうけど、なんでしょうね。すごく小さいです。(右)猛毒のハシリドコロの群生。ヤマトリカブトの群生もありました。
(左)N氏の帽子に止まったヒオドシチョウ。(中)同じくN氏の手に止まったベニヒラタムシ。どうも虫をおびき寄せる才能がある様です。(右)ヒメツチハンミョウですかね。幼虫はハナバチ類の巣に寄生して卵や花粉,蜜を食べます。触るとカンタリジンという有毒成分を分泌するので要注意。
(左)山頂まであと600m。急登が堪えます。(中)やっと山頂。前述の祠があります。(右)山頂は北面のみ眺望が開けます。子檀嶺岳が正面に。右奥に大林山。さらに右端の奥に鏡台山。眼下に青木村。
拙書の表紙にもなっている子檀嶺岳。眼下の道の駅あおきからは、ゴールデン・ウィークの客を迎える太鼓の音が聞こえます。夫神岳は残念ながらページ数の関係から拙書には載せられませんでしたが、子檀嶺岳はその名前の由来や歴史からコース、麓の国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)まで詳細に載っています。
山頂で記念写真。昼餉は事前に打ち合わせをしなかったので、豚や鴨など肉だらけになってしまいました。これは厳しく反省しなければなりません。ほかにおにぎり、こねつけ、インスタントラーメン、ウドのぬた、にんにくの芽と豚肉の中華炒めなどもあり、食べすぎての下山となりました。これも反省点です。
なんだか分かりますか。下山中に伐採地で見つけた鮮やかな物体。カエデの切り株に発生した樹液酵母です。舐めてみましたが無味無臭です。ビールの酵母やパンの酵母にも使えます。昆虫たちも食べに来ます。
下山後は「無言館」へ。戦没画学生慰霊美術館です。冬にひとりで来た時とは違い連休なので大勢の人が訪れていました。戦争によって絵を描くという夢を絶たれた若者たち。ぜひ訪れて欲しい美術館です。
第二展示館「傷ついた画布のドーム」の前庭にあるモニュメントの裏の一文。
『画家は愛するものしか描けない 相手と戦い 相手を憎んでいたら 画家は絵を描けない 一枚の絵を守ることは 「愛」と「平和」を守るということ』
次回からは、ゴールデン・ウィーク後半の信州の秘境への旅「遠山郷、大鹿村、下諏訪。中央構造線を巡る旅 その1」をアップします。あまりにも濃すぎる旅で一度では表現しきれません。南信は非常に非常に奥深いです。忙しくなりそうなのでアップの日は未定です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
(左)信州の鎌倉と呼ばれる塩田平からの夫神岳。コースは主に別所温泉からと青木村からのコースがあるのですが、今回は後者です。(中)まるべりーオートキャンプ場上の登山口駐車場から出発。トイレもあります。(右)獣害避けの扉横にジグザグに抜ける登山者用の通路があります。イノシシはここを抜けられないのでしょうか。そうならば他の山も取り入れて欲しいですね。
(左)林道歩きの後に月波(つくば)の泉。甘露です。(中・右)そのすぐ上のくらおかみ大明神。ここで休憩。この祠は説明文によると、寛文五年(1665)に建て替えられたといいます。おかみ信仰は高龗(淤加美:おかみ)と闇(くら)龗(淤加美:おかみ)の二柱の神で、雨の神、水の神で、遠い昔の雨乞いの歴史を今に伝えるもの。この夫神信仰が元になり麓の村は夫神郷と呼ばれるようになった。この社に夏祭りの時に奉納されるしなり織りは、雨の神、龍神の姿をあらわすものとされる。「とおき世に 雨を祈りて 祀るてふ 泉のかたえ くらおかみたつ」※PCの環境によっては文字化けします
(左)林道や登山道脇に咲く花々。マキノスミレがあちこちで咲いていました。(中)ネコノメソウの仲間。ネコノメソウは種類が多く、同定はなかなか困難です。(右)シロバナエンレイソウ。咲き始めでした。
(左)雨量の少ない塩田平ですが、北側だからかあちこちに美しいスギゴケが見られました。(中)小さなホンドサルオガセ。(右)うつむいて咲くモミジイチゴも散見。
(左)キンポウゲ科イチリンソウ属のアズマイチゲ。スプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)と呼ばれる花のひとつです。(中)シダ類の一種でしょうけど、なんでしょうね。すごく小さいです。(右)猛毒のハシリドコロの群生。ヤマトリカブトの群生もありました。
(左)N氏の帽子に止まったヒオドシチョウ。(中)同じくN氏の手に止まったベニヒラタムシ。どうも虫をおびき寄せる才能がある様です。(右)ヒメツチハンミョウですかね。幼虫はハナバチ類の巣に寄生して卵や花粉,蜜を食べます。触るとカンタリジンという有毒成分を分泌するので要注意。
(左)山頂まであと600m。急登が堪えます。(中)やっと山頂。前述の祠があります。(右)山頂は北面のみ眺望が開けます。子檀嶺岳が正面に。右奥に大林山。さらに右端の奥に鏡台山。眼下に青木村。
拙書の表紙にもなっている子檀嶺岳。眼下の道の駅あおきからは、ゴールデン・ウィークの客を迎える太鼓の音が聞こえます。夫神岳は残念ながらページ数の関係から拙書には載せられませんでしたが、子檀嶺岳はその名前の由来や歴史からコース、麓の国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)まで詳細に載っています。
山頂で記念写真。昼餉は事前に打ち合わせをしなかったので、豚や鴨など肉だらけになってしまいました。これは厳しく反省しなければなりません。ほかにおにぎり、こねつけ、インスタントラーメン、ウドのぬた、にんにくの芽と豚肉の中華炒めなどもあり、食べすぎての下山となりました。これも反省点です。
なんだか分かりますか。下山中に伐採地で見つけた鮮やかな物体。カエデの切り株に発生した樹液酵母です。舐めてみましたが無味無臭です。ビールの酵母やパンの酵母にも使えます。昆虫たちも食べに来ます。
下山後は「無言館」へ。戦没画学生慰霊美術館です。冬にひとりで来た時とは違い連休なので大勢の人が訪れていました。戦争によって絵を描くという夢を絶たれた若者たち。ぜひ訪れて欲しい美術館です。
第二展示館「傷ついた画布のドーム」の前庭にあるモニュメントの裏の一文。
『画家は愛するものしか描けない 相手と戦い 相手を憎んでいたら 画家は絵を描けない 一枚の絵を守ることは 「愛」と「平和」を守るということ』
次回からは、ゴールデン・ウィーク後半の信州の秘境への旅「遠山郷、大鹿村、下諏訪。中央構造線を巡る旅 その1」をアップします。あまりにも濃すぎる旅で一度では表現しきれません。南信は非常に非常に奥深いです。忙しくなりそうなのでアップの日は未定です。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。長野県シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。