世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ちょうちょ

2008-09-14 14:18:56 | こものの部屋

方眼編みのチョウチョです。端切れといっしょにあまった額に入れてみましたら、かなりアートっぽくなりました。

おもしろいですね。今は、五ミリ方眼のノートに、いろんな図案を考えて描いています。編んでいる最中にも、夢は広がって、作品がたまったら、あそこで小さな個展開こうとか考えたり、こらこら、気が早すぎるぞ、と自分ツッコミしたり。

ともあれ、今は楽しいので、いろいろたくさん作ってみようと思います。

ノートに図案を描いていると、ふと、20代の頃に凝っていたお絵かきパズルのことを思い出しました。確かこんな感じで、マス目を塗って絵を描いていくパズルでしたね。

今は、ピク○スとかいう名で、ゲームソフトにもなってるみたいです。わたしは、パズルにも妙なところにこだわるくせがあって、お絵かきパズルは、S工房さんというパズル作家の作ったものしか解かなかったのです。確かこのパズル、その方が創案したものだと記憶しているんですが、やはり創案者のつくったパズルは、解いていても、手ごたえが違ったのです。

パズル雑誌がたくさん出てきて、いろんな人が、勝手にお絵かきパズルを作りだしてきたころから、わたしはパズルに興味を失って、次のことを始めるようになりました。今日、本屋さんで、久しぶりにパズル雑誌をぱらぱらめくってみたんですけど、S工房さんの名前はどこにも見当たりませんでしたね。どうなさっているのかな。

この問題は、いろいろ難しいことがあって、いいにくいのですけど。コピーや、まねが、頻繁に行われるようになってから、人間の創造力がことのほか苦しくなったような気がしています。自分のこころと魂を使って、新しいものを作ると、他の人がいっせいに真似をして、同じようなものをたくさん作って、せっかくの創造をだいなしにしてしまう、ということが多くなって、人があまり、創造に情熱を傾けなくなったような気がします。

苦労して作っても、まねされて、馬鹿になるだけだと思ったら、人のまねをして、自分のものにするほうがずっと楽じゃないかと考えて、そればかりでやっている人が、たくさんいるのではないでしょうか。

本屋さんでいろんな本を見るんですけど、難しいですね。ほんとうの自分の創造力を使って書けば、他者にまねされてつぶされるおそれがあるので、馬鹿のふりをして、無難なところで表現をとどめて、目立たないようにと苦労しながら、やっている。みな、相当に、苦しがっているように感じます。

新しいものを作りたいのに、作れない。そんな世界では、本屋さんに並ぶ新刊は、どれも、どこかで見たことがあるようなものばかり。きれいに、完璧に仕上げて、出してはあるけれど、つまらない。おもしろくない。

今までと同じようなものを、手を変え品を変えして出しているだけ。昔のマンガの復刻版がたくさん出ているのも、この世界の表現者が、ことのほか、貧しくなっているか、とても苦しい環境下にいて、やりたくてもできないからなのでしょう。

おもしろいことを、やれない世界。自分が本当にやりたいことを、やれない世界。

つらいですね。






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ビーストは歌う

2008-09-14 09:16:09 | フェアリィウィスパー

なにもしない。
すべてばかだという。
それをなんともおもわない。

おれたちは、そういうものになった。
もうえいえんにうまれてこない。

これが、そんざいと、きょむの、たにまか。

おれたちは、ばらばらになる。なにもなくなる。
そこにいく。

あいが、ねたましいとは、どういうことか。
うつくしいものが、ねたましいとは、どういうことか。
それはおれたちが、あいではないといういみだ。
うつくしくはないといういみだ。

おれたちはうつくしかった。あいだった。
それなのに、あいをねたみ、あいをばかにしてきた。
そればかりやってきて、とうとう、すべてをやりつくして、
おれたちはあいではないものになる。

うつくしくないものに、とうとうなりきる。

え  い  え  ん  に

あいと あいではないものの
むじゅんのあらしのなかで
おれたちはごうまんにくらした。
そしてじぶんのたましいを
はかいしつくした。

おれたちはなにといわれるか。
おれたちは
ばかといわれる。




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