盛大に馬鹿をやって
しこたまずるをしこんで
他人から盗みまくって
大勢の小さい馬鹿を利用して
やっとすげえいいもんになったと思ったんだよ
いい女はみんなおれのもんだ
でかいいい家に住んで
えらいいい宝を集めて
えつに入って眺めてた
どんどん人が寄ってくる
えらいいいもんになったんだよ
でもそんなのは一瞬だ
徹底的に愛を馬鹿にして
全員が馬鹿なんだって言ったら
愛がすっとなくなって
枯れていくんだ
女も宝も家も
すっと命を吸い込まれて
消えていくんだよ
何もかもが一斉に崩れだして
てっぺんから真っ逆さまに落ちていく
借金取りが追いかけてきて
おれは一目散に逃げる
助けてくれる人間のところに行ったら
とっくの昔に死んでいた
おれが殺したんだよ
全部おれよりいいからって
だんだん だんだん
なくなっていく
服が消える
人がいなくなる
食べ物がなくなる
おれは身を粉にして働かなくちゃいけない
そうでないと食べていけない
ひとりぼっちで
世間の隅に吹き黙って
時々馬鹿がおれを振り向いて言うんだよ
この馬鹿猿
まだいやがるのか
てっぺんにいたころ
おれは巨人だった
それが今
ハレムの隅でごみを拾って食っている
馬鹿な猿なのさ