ヘラルト・ダーフィット、16世紀ネーデルラント、北方ルネサンス。
この聖母は真実の天使によく似ている。彼はこのように清らかに美しい女性のような天使である。あなたがた人類は非常に長い間、このイメージを深く愛してきたのである。女性のようにやさしく細やかに愛してくれる天使を、あなたがたは永遠の母のように慕ってきたのである。聖母は飾りのない粗末な衣服を身にまとい、抱いている子供にさりげなく果物を与えようとしている。やさしいしぐさだ。魂の美を見せる美しい瞳も伏せている。それなのにあまりにも美しい。これが女性美の真実の姿というものである。