アニー・ルイーズ・スウィナトン、20世紀イギリス、ラファエル前派、女流。
ジャンヌを描いた絵にはなかなか良いものが見つからない。中ではこれが実像に近い。ラファエル前派の叙情性もかなり好もしい。髪はもっと短く切っていたが、美しい女性だった。真心で人々のために働こうとしていたが、狂おしい人々の嫉妬にさいなまれてむごたらしく滅ぼされた。これは人類の大きな苦しみである。ジャンヌ・ダルクが天命を全うしていれば、フランス革命は起きなかったのだ。民主主義の繁栄も、今ほどではなかったろう。女性を迫害してきた歴史の中でも、これは最も大きな汚点である。人間はこの女性の真実を、闇に葬ってはならない。