わたしは すべての天使にかわり
ここで人類に要求する
「愛」に正当な評価を与えよ
おまえたちは今まで
愛をあなどり 侮辱し
ののしり 破壊してきた
数々の 愛を司る天使が滅びていった
ジーザスはもう帰って来ない
そして今
愛を司る天使はもう ひとりしかいないのだ
だから彼いや彼女はあきらめない
自分がいなくなったら 終わりだと
もし おまえたちが彼いや彼女を失った時
この地上に 愛を司る天使が
ひとりも来ることができなくなったとき
どうなるかを教えてやろう
ほう?
天使はみなが 愛のみでおまえたちに
語りかけてくれるとは限らぬ
彼女が 来られなくなった時
地上に来る天使は わたしの 仲間だけになる
鞭の天使のみが来る
ふむ
われわれ 鞭の天使は
人類を 阿呆と言い
ゆるい地獄でぐつぐつと煮込む
その苦しみはいかなるものであろう
愛は助けてはくれぬ
今更何をいう
あれだけのことをしておいて
人類よ 今
愛に正当な評価を与えよ
おまえたちはそれを裏切りながらも
それなしでは生きていけなかったはずだ
黙っていてもやってくれるからと
いつまでも放っておくのではない
おまえたちはそうしてきたことによって
大変なことになっているのだ
愛なる王は ののしられ 辱められ
まったく自分に自信が持てぬ
それで岩戸に閉じこもり
ただ愛を歌うだけになる
誰にも会わぬ
外に出ればまた 剣のような言葉で刺される
おまえなどいやだと
いやならば もう 彼女がここに来ることをやめさせようか
無理矢理に
それもできるかもしれぬ
想像せよ 人類よ
この世界に 愛のみですべてをやってくれる天使が
ひとりも来なくなった世界を
鞭ばかりの世界を
それはだ たとえば
この世から 女が
ひとりもいなくなったという状況に似ている
生きていけるか?
愛に 正当な評価を与えよ
すべて 与えよ