普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

外資ファンドまた敗退

2007-07-10 16:27:09 | 企業経営

<<ステイールの敗退>>

読売新聞の
ブルドックの買収防衛策、東京高裁も「適法」判断 (7月10日2時29分  読売新聞)
によれば、
 
米系投資ファンドのスティール・パートナーズ・ジャパンがソース最大手ブルドックソースによる買収防衛策発動の差し止めを求めた仮処分申請で、東京高裁(藤村啓裁判長)は9日、スティールの即時抗告を棄却し、ブルドックの防衛策発動を適法とする決定をした。
 決定では、スティールを企業価値を破壊する「乱用的買収者」と認定し、防衛策には正当性があると結論付けた。さらに、株式会社のあり方について、「株主利益のみを考慮する考えは採用できない」との判断を示した。
 一方、決定は、投資ファンド全体が「様々な策をろうして短中期的に株式を転売し」「最終的には(買収)対象の資産処分まで視野に入れて」「自らの利益のみを追求する」存在とも受け取れる、踏み込んだ解釈を示した。この点については、識者の間から「経営に対する監視機能など投資ファンドの利点を否定する解釈で、海外からの投資が鈍りかねない」と懸念する声も出ている。
とスティールの敗退を報じている。

これはブルドックソースの24日の株主総会で防衛策が80%を超える賛同で承認されたを受けた地裁での勝利に続くものだ。

さらに読売の解説では、
さらに「会社は誰のものかに関連して、「専ら株主利益のみを考慮する考え方には限界があり採用できない」と指摘し、株主の権利を過剰に振りかざした動きに明確にクギをさした。
株式会社の所有者は法律上株主だが、従業員や取引先、消費者などの支持がなければ経営は成り立たない。決定は「多種多様な利害関係人(ステークホルダー)と不可分な関係を視野に入れ、企業価値を高めて行くべき」とし、その認識を司法として追認した。
と述べている。

このことは、
1.一般株主の圧倒的多数が、目先の利益ではなく、企業の長期安定成長に軍配をあげたことが示す様に、日本の株主がまだ日本型経営のついて良く理解している事。

2.裁判所が日本が米国の年次改革要望書に従った規制改革のの問題点を指摘し、日本政府の同国への遠慮?から思い切って言えないことを代弁したくれたこと。
ことの二つに大きな意味があると思う。

<<今後の外国ファンド対策>>
然し今回の決定に対してスティールが最高裁に控訴するかも知れないし、今回の決定で受け取る24億の金を利用して更なる攻勢にでるかも知れない。
そして、今回と同じ様な決定が、他のTOBにも適用される保証はない。

私が外国投資ファンド全敗を意味するもの
で感じた以下のような疑問に対して、日本政府は日本に適応した諸施策を講じて貰いたいものだ。

1.経営者が本来の仕事である、会社の運営とその合理化、長期的な会社の成長、従業員の管理などそこのけで、会社の防衛策に追い回されているのは仕方がないのだろうか。

2.TOBと言う脅しをかけて、短期的な配当の増額をさせたり、株価のを吊り上げさせた後売り抜けるなど、果たして会社の為(最終的には日本の為に)になるのだろうか。

3.会社規模の拡大を図る同業会社のTOBならともかく、そのような裏付けのないファンドの資金が本当に日本が必要なのか。
そんなに日本の資金が欠乏しているのだろうか。

4.企業防衛策としてのかってのような企業間の株の持ち合い、銀行の株保有など考えられないのだろうか。

5.今までの日本を支えてきた日本型の企業経営の悪い所は直し、良い所は採用するなどの政策の見直しを、金融市場の開放などの長所短所の見直しと合わせて行うべきではないだろうか。

いずれにしても、米国に思う様にされている日本政府に惑わされずに、東京高裁が適切な判断をして貰ったことに感謝する。

ついでに裁判所にお願い。
光市母子殺害事件で信じられないような、被告の供述を考えだして、裁判を混乱させ長引かせる戦術を取っている弁護団に振り回されないように、今回のような適切な裁決をお願いします。

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