前々から思っていたのだが、家族間の殺傷事件が絶えない、特に少年による犯罪が目立つ。
資料によれば、
少年が家族を殺傷する事件は後を断たない。警察庁によると、平成16年までの5年間で、同種の事件は56件に上る。
そうだ。
その原因考えてみるためにこれに少年の心理に関する資料を調べてみた。
<<家族間の殺傷事件の特徴>>
その中で、気になる記述を並べて見た。
・多くの親殺しは、中流以上の良い家庭で起きている、最近の事件は殆どこの環境で起きている。
・教育熱心な親、評判の良い子ども の間でも起きる、むしろこの傾向が目立つ。
・親は「個性を大事に」などもの分かりのよいことを子供に言う一方良い学校に入れと圧力をかける。
・離婚や親、祖父母の死など自分を守って呉れる人の喪失など家族のバランスが崩れた時に起こる。
・親子関係が希薄だ。
・少年は自分の個室で、バソコンなど扱うなど、家庭の中で自分の世界を持っている。
[少年の心理]
・悪い親のイメージと良い親のイメージが分離し、悪い親のイメージだけが頭の中に広がり、殺意が芽生える。
・親と喧嘩をしたりして、反発するのが普通だが、その程度のことでは親から自由になれないと思い、最後の手段として親を殺すしか自由になれないと思う。
・殺傷の相手として当の本人より弱い家族を選ぶ。
・キレる少年の多くは、劣等感を抱えてる、そしてそれを自分で抑えきれない。
・自立していない。
自立している人は、時には親に甘えたり、親が多少干渉してきても、軽く受け流すことができるが、そうでない人はそれが出来ない。
[少年の発言]
・殺傷の対象の家族は好きでも嫌いでもなく、恨みもない。
・親から馬鹿にされた。
<<昔の一般家庭>>
私は何度が書いたが、父は製鉄所の職夫、今で言えば正式の作業員と派遣の労働者の間位の地位と安い給料で、家族は両親と子供五人だから、戦前といっても標準以下の貧乏暮らしだった。
母親は洗濯機、炊飯器もガスもない中での家事と、収入を補う為の内職で家で朝から晩まで働き通しだった。
当然子供達には時々家事の手伝いをさせる以外はほったらかし。
勉強しろなど言われたことなし。
唯言われたのは「余所様に迷惑をかけないこと」だけ。
子供はそれを良い事に近所の子供達と遊び呆けていた。
そこに年上の子が年下の子の世話をする子供社会があった。
し子供達は働き通しの母親の背中を見ていては、悪い事が出来る筈がないし、その母親が父親には外で働いているのだからと、夕食の膳に一皿付け足すのだから、普段見る時間の少ない子供たちも父親に一目置いていた。
両親は成人して考えると父親の浮気問題などあったような気がするが、子供の前での夫婦喧嘩など見た記憶にない。
最初に書いたように、私たちの家庭は標準以下の収入だったが、その他の一般書いて家庭も似た様なものだったと思う。
時代は軍国主義への道を進んでいましたが、この様な環境の中でごく一部(クラス内で一人いるな居ないか)の少年の万引き事件とか、所謂硬派と称する少数の旧制中学生同志の喧嘩以外に、殆ど少年犯罪が無かったのもお判り頂けると思います。
<<戦前の今の家庭の比較>>
勿論戦前と今とでは環境が全く異なるが双方を比較してみると、考えるべきところが多いような気がする。
1.中流家庭で事件が起こりやすいこと。
子供は何でも希望するものが手に入るから我慢する習性が薄れる。
昔の子は我慢することに慣れていたし当然と思っていた。
2.家庭内環境
昔は学校から帰ると、いつも働いている母親がいた。
今は専業主婦の場合は、便利な電気製品で、育児を除くと帰宅した生徒からみるといつも遊んでいるように見える。
専業主婦の場合は、暇な時間はコミュニティー活動をするとか、自分を高めるための勉強をするとかで、昔のように背中で教える機会を作る必要はないだろうか。
兼業主婦の場合は、帰宅後家事で忙しいが、生徒はそれまで淋しい思いをし、時には子供の不満の対象となる。
昔のように、少ない収入でも子供達と一緒にいると言う選択肢もあるような気がする。
3.子供からみた両親の存在、
兼業主婦の場合、物理的に親子が接触する時間が減っている。
父親は力を増した母親から批判や苦情の対象になり、影の薄い存在となる。
昔のように、母親が働く背中で子供を教えることが出来ず、父親は子供にとって問題外の人となりやすい。
離婚など可笑しくない世界になっている。
結局は昔のような親子の絆が無くなりかかっている。
子供はそれで自分のことを無視されていると考える様になる。
4.子供が家庭内でも(特に中流以上の家庭では)個室と言う自分の世界を持っている。昔は子供には家族全員が、同じ居間で寝るまで過ごしていたのでプライバシーなど無かったが、子供には親の眼がいつも行き届いていた。
現在でも子供が少なくとも高校に入るまでは、個室を与えない方が良いのではないか。
5.子供が親の知らない情報源持っている。その結果子供が知っては困ると思っている情報を子供が持ったいる。
昔は、子供の親の知らない情報源は学校と友達のから得たものだけ。
少なくとも中学生までは、携帯は通話だけ、パソコンは両親と共通の物に限るべきと思う。
6.個性を大切にすると言う意味
昔は個性を持たせるなど本人が余程優れていない限り個性を活かすなど考えもしなかった。
個性尊重の余り、人として基本的に持たなければならぬことを教えることがおろそかになっているのではないか。
7.子供の自立心
今の子は親子の絆が薄くなっているのに比例して、そしてプライバシーなど主張する割りに、親の愛情に飢えている。
その裏返しが家庭内殺傷事件の原因となっている。
昔は、親が忙しいことを知っているので、自分達のことは自分で処理することは当然だと思っていた。
8.教育熱心の家庭に起こる。
昔は余程特別の家庭を除いて、悪く言えば子供が学校で勉強してくるだけで満足していた。
子供は親が勉強しろと言うのは、親の見栄からのエゴではないか。。
9.子供の劣等感
親が余り学校の成績のこと言って、子供に劣等感を植えつけていないか。
昔は、少なくとも私の家では、通信簿の成績でとやかく言われた記憶は全くない。
成績に悪い学科があっても、親も本人も「オヤオヤ」位で片づけられた。
勿論今の時代だから、余り勉強しないのも困るが、少なくともクラスで半分以上位の成績を取る位で、目をつぶっていて良いのではないか。
それから先は本人次第だと親も割り切るべきだと思う。
10.物の一面しか見ない習慣
私の気になった少年の心理の説明で、
・悪い親のイメージと良い親のイメージが分離し、悪い親のイメージだけが頭の中に広がり、殺意が芽生える。
は良く判らないが、学校教育やマスコミなどで物事の一面しか見ない傾向が子供の中にも拡がっているような気がする。
例えば権利は受けるもの、人の責任は追求するものと考え、自分の権利に伴う自分の義務や責任や思いやりなど考えない教育や世の中の風潮がそうだ。
親の責任ばかり考え、自分の責任とか親に対する思いやりなどが犯罪を犯した少年から完全に抜けている。
その一面憎しみの相手を殺害して、残った片親に殺人犯の親と言われないように、一緒に殺害するなど、完全に考え方のバランスが壊れている。
昔の普通の家庭で良く言われた、「人に迷惑をかけない」の平凡な言葉が今こそ改めて、見直され無ければならない時期来ていると思う。
<<若い人達へお願い>>
以上長々と暗い話を読んで頂いて申し訳ありません。
実はこれからが是非聞いて頂きたいのです。
今までは主に、中流以上の家庭の良い子に起こった事件を考えて来ました。
最近の若い人達の考えです。
結婚と子供を持つ事を損や得で考える人。
出来ちゃったので仕方なく結婚する人。
親がこんなに頑張っているのに、勉強も何もしない子供に不満を持つ人。
両親が子供の為に犠牲になっていると思う人。
親がこれだけしてもどうせ子供は将来、自分達を見てくれないので、夫婦の今と将来の生活設計をする人。
そこには少なくとも、子供より自分優先の考えがあります。
今まで、考える余地はあっても少なくとも子供達のために頑張ってきた家庭に多く起こっているのです。
上に書いたような人達の家庭で子供が今後何をしでかしてくるか心配です。
私は大多数の日本の若い人達の家庭は、勿論子供中心の健康な暮らしをしていることを信じています。
今までの事件が起きた家庭は、そのような家庭でも起きているのです。
どうか戦前派の見方も時代後れなど言わずに、是非参考にして頂いたらと思って居ます。
それともう一つ、私の書いたことで子供を持つのは難しいと言わず、昔のように金はなくても、シンプルな生活でも少なくとも世間に迷惑をかけない子供を育てる方法もあることを知って、結婚し子供を育てていかれてはどうでしょうか。
参考資料:
少年犯罪の心理
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