このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
NPO法人なごやかの理事長が、やまねこデイサービスの事務室へ首をひねりながら入ってきた。
どうかなさったのですか、と私は声を掛けた。
「駐車場に見慣れない8004番の新車が停まっていて、こんないい車買ったかなあ、と思ってね。
Tさん、もしかして、きみ、二台乗ってきたの?」
理事長は希望ナンバーで取得した8004番の活動車を大量に集めているのだが、事務職員のTさんはまったく偶然に面接会場へ8004番の自車で乗りつけて即採用になったというエピソードの持ち主だった。
「私です」と事業所の開設以来勤務している先輩事務職のCさんがおずおずと手を上げた。
理事長の顔が輝いた。
「そうか、きみか。-そうか、ありがとう。きみの逆立ちには脱帽だ。Cさん、エア握手だ!」
理事長はCさんの50センチほど手前で右腕を大きく振った。
よほど気分がよかったに違いない、その右腕を左胸に置き、「君が代」を歌いながら部屋を出て行った。
でも、いったい理事長は何の用だったのだろう?