このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
C大と同じ駅が最寄りの東京都立多摩動物公園、通称タマ動で学生時代の4年間、週末にアルバイトとして働いた。
タマ動直接のバイトではなく、納入業者(雪印乳業の下請工場)の雇用で、特設テント内にアイスクリームのストッカーを置き、同社の既製品アイスや動物たちの指人形などを販売する仕事だった。
4月から10月までの、いわゆるハイシーズンのタマ動の混みようは尋常ではなく、テント脇に置かれたごみ箱は多い時で20回(袋)以上交換することもあった。
さらに大変なのが、入場無料の子供の日だった。
僕は公園の一番奥、「ライオンバス」(ライオンが放し飼いになっている園内をバスで遊覧するアトラクション)のチケット売り場前が定位置?だったのだが、開園から20分ほどたつと、黒い波のように人が押し寄せてくるのが遠目にもはっきりと見え、やがてそれがだんだんと坂を上ってくる。
初めはぞっとして、映画「黒い絨毯」(軍隊アリの恐怖を扱った元祖パニック映画)や、シェイクスピアの「マクベス」を連想した。
暗殺によって王位を奪ったものの、不安に怯えるマクベスは魔女たちから「バーナムの森が動いて向かってこない限り安泰だ」という予言を引き出す。
ところがその後、木の枝を隠れ蓑にして進撃してくるイングランド軍の様子がまるで森が動いているかのように見えたため、マクベスは半狂乱に陥ってしまう―。
100円のアイスを買い求めて親子連れが殺到し、ストッカーはテントから押し出されるわ、商品棚は倒されるわ、果てはストッカーへのアイスの補充が間に合わなくなり、後ろに停めていた保冷車の扉を開け、そこで直接売りさばいたこともある。
良くも悪くも急激な右肩上がりの、とんでもない時代だった。