このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
四年間の大学時代に、たった一度だけ母親が上京してきたことがある。
別段何があったわけではなく、どこか案内しようかと尋ねたが、アパートで夕食を作って翌朝早く、帰って行った。
まだ新幹線はなく、L特急で仙台まで所要時間4時間20分だった。
上野駅まで送って行くと別れ際に財布を開け、千円札を一枚残しただけで所持金の全額を渡された。
切符も買ってあるし、これだけあればお弁当も買えるから、わたしは大丈夫だから。
オレは千円持っただけの母親を、遠路一人で帰すのか。
ありがたいより情けなく、恥ずかしくて涙が出た。
その後Nは最上級の外国車を乗り継いできた。
どう見ても分不相応なそれは、自身の虚栄も多少はあったが、老いた母親を後部座席に乗せるためのものだと内心思っている。