このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
個人事務所に息子がひょっこり現れた。
どうかしたのか、と言おうとして、後ろにもう一人いるのに気づいた。
今日がその日なのだな、と思った。
女性は大学の同級生だという。
ソファに座り、三人でひとことふたこと話した。
私は車に置き忘れたカバンを取って来てくれるよう、息子に頼んだ。
ドアが閉まると彼女は言った、
「結果はどうでしょう?」
「なにが?」
私はとぼけたが、そこから話すのか、とその利発さに内心、舌を巻いた。
「彼が言ってたんです、お父さんに会ったら、職員採用面接の目で見られるよって。」
「正直に言うと、さっきから私の胸の中の非常ベルが久しぶりに鳴り出してる。
ああ、このお嬢さんを逃したら、息子にはもう目がない、終わりだ、そう感じてる。
ひとつ聞いていいかな―きみはざしき童子じゃないよね?」
いいえ、違います、と彼女は愉快そうに笑った。
「それならいい。きみはきっと彼をひとかどの男にしてくれるだろう。私には分かる。よろしく頼みます。」
ドアが開き、息子が顔を出した。
「何を頼むって?」