このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「大学受験の面接でのこと、すでに控室で待っている時から緊張して、歩いたら右腕と右足が一緒に出るのでは、と思うほどだった。
順番が来て会場に入室すると、担当官の方々が4名ほど着席していた。
僕はその正面に立ち、挨拶したあと着座したのだけれど、一番端の席の女性がにこにこ笑顔を浮かべていた。
紺のジャケットにふんわりとした花柄のスカートからすらりと足が伸びている。
以前どこかで会ったような、初めてのような。そのほっそりとした横顔を見つめていると、頭の中に声が響いた。
『今日はあなたを応援に来た。思い切りやりなさい。』
雷に打たれたようになった僕は、いつもと違って声に力と気持ちがこもった。
時々彼女に目をやると、『残り時間3分』と指を立ててかざしていたり、メインの担当官からの質問への回答にはもっと詳しく説明するように、との手振りを送っている。
おかげで僕は実力を存分に発揮することができた。
終了後、立ち上がって一礼すると、彼女はウインクをくれた。
高価な絵筆のような美しいポニーテールがかすかに揺れた。
ああ、とれたな、自分を出し切れて最高だな、と僕は思いながら退室した。
それにしても、いったい誰だったのだろう?」