ようやく見付けた第14巻、『神かくし』全8話を読む。第1話「梅若塚に雨が降る」、江戸の火事で焼け出された商家に火事場泥棒が頻発する。盗賊は、内鍵を開ける手引をした清ニ郎を殺したところで東吾らに捕まるが、若い母親は幼児を育てる力がない。第2話「みずすまし」、多情な女の作り話に周囲が翻弄される話。次の第3話「天下祭の夜」も、江戸の繁栄に心を奪われた女の哀れな末路。以上、愚かな女の三部作。平岩弓枝さんは、けっこう同性に厳しい。パチンコ店の駐車場に幼児を放置し、熱射病で死なせた事件などが、意外に作品のきっかけになっているのかもしれない。
第4話「目黒川の蛍」は、今度は不実な男の話だ。第5話、「六阿弥陀道しるべ」は、大店に長年滅私奉公してきた男が、昔不幸にした母と子に田畑を贈る話。なんだか、家庭をかえりみず経済戦争に従事していた猛烈サラリーマンが、定年退職し退職金で土地を買い、妻子に詫びる話みたい。
第6話「時雨降る夜」は、いつまでも子どもを愛玩する女と、そこから独立しようとする息子。美人で年若く後家になった才女、立派な母親の裏に潜む般若の性格を描く。第7話「神かくし」、それぞれに理由の異なる「神かくし」事件。
第8話、「麻生家の正月」では、七重の出産といろいろな夫婦の姿。立派な医者でまめに働き、子煩悩で家庭的な宗太郎は、東吾とはまた別のタイプの、理想の夫像の一つなのだろう。
第4話「目黒川の蛍」は、今度は不実な男の話だ。第5話、「六阿弥陀道しるべ」は、大店に長年滅私奉公してきた男が、昔不幸にした母と子に田畑を贈る話。なんだか、家庭をかえりみず経済戦争に従事していた猛烈サラリーマンが、定年退職し退職金で土地を買い、妻子に詫びる話みたい。
第6話「時雨降る夜」は、いつまでも子どもを愛玩する女と、そこから独立しようとする息子。美人で年若く後家になった才女、立派な母親の裏に潜む般若の性格を描く。第7話「神かくし」、それぞれに理由の異なる「神かくし」事件。
第8話、「麻生家の正月」では、七重の出産といろいろな夫婦の姿。立派な医者でまめに働き、子煩悩で家庭的な宗太郎は、東吾とはまた別のタイプの、理想の夫像の一つなのだろう。