電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

藤沢周平『刺客~用心棒日月抄』を読む

2005年09月14日 22時05分08秒 | -藤沢周平
この言葉、今年ずいぶん話題になった。ニュースでもずいぶん出てきたので、読み方もずいぶんポピュラーになったのではないか。
藤沢周平の『刺客』は、用心棒日月抄の第三部である。第二部で活躍した江戸屋敷の陰の女たちに対し、お家乗っ取りを策する黒幕のもとから、五人の刺客が放たれる。自ら身を挺して危難を救ってくれた頭領の佐知をはじめ、「嗅足組」と呼ばれる非違を探る集団を救い、黒幕の陰謀を断つべく、青江又八郎は再び脱藩して江戸に赴く。用心棒稼業を続けながら、細谷源太夫、口入れ屋吉蔵、長屋の人々と旧交を温め、探索を続けるが、驚くべき事実が浮かびあがる。

前作では、庄内地方の料理の話がたくさん出てきて、思わず懐かしく、食べたくなったものだが、今回はそれほど食物の蘊蓄は出てこない。そのかわり、佐知の存在が一段と大きくなる。まるで、このシリーズの初めからのヒロインであるかのようだ。実は、第一作の末尾にちょこっと登場する脇役に過ぎなかったのだが。
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