電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

携帯電話普及の背景には勤務形態が厳しくなった面もあるのでは

2019年01月14日 06時02分57秒 | Weblog
携帯電話が普及する以前は、地域行事等の関連で、自宅に電話をかけて用が足りる面がありました。家庭には誰かがいて、伝言を頼むとメモをして伝えてくれました。重要な案件で返事が必要な場合には、向こうから問い合わせや返事の電話をかけてきたりするのが通常のパターンでした。



ところが、いつ頃からか、自宅に電話をしても用が足せないことが多くなりました。夕方、自宅に電話をしても誰も出ない。夜に電話をかけ直しても、まだ職場から帰宅していない。場合によっては自宅に番号が公開された固定電話がない。とにかく本人をつかまえたほうが早い。そんな事情から必要に迫られて、多くの人が携帯電話というパーソナル端末を買い求め、結果として普及を後押ししたのでは。これは、核家族化の進行や勤務形態の過酷化、雇用の不安定化などが背景にあるのではなかろうかと思います。

この頃、就業中の私用携帯電話の禁止などのルールが新たに生まれたのではなかったかと思います。確かに、スマホや携帯電話などのパーソナル端末は、命令されて動く「兵隊」にふさわしい道具であって、トイレの個室の中でも命令を聞かなければいけない。命令を発する立場の人は、大画面のパソコンを操作する参謀的役割の人をそばに置いて、全体的な立場から指揮するのですから、「将軍」みたいなものでしょう。

いわゆる「失われた20年」の間で、労働者派遣法やワーキング・プアなどが問題になった時期と、携帯電話が広く普及した時期は、かなり重なるのではないかと想像していますが、さて、どうか?

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