電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

香月美夜『本好きの下剋上』第四部「貴族院の自称図書委員IV」を読む

2019年01月05日 06時02分25秒 | -香月美夜
TOブックス刊の単行本で、香月美夜著『本好きの下剋上』第四部「貴族院の自称図書委員IV」を読みました。

貴族院の一年生として冬を過ごした後に、故郷エーレンフェストに戻ったローゼマインとヴィルフリートは、領主ジルヴェスターが二人の婚約について王の承認を得て、春を寿ぐ宴で発表します。それは、旧ヴェローニカ派の貴族たちにとっても、対立するライゼガング系貴族たちにとっても青天の霹靂、衝撃的なものでした。混乱回避のため神殿に逃げ込んだローゼマインは、神官長フェルディナンドの指導のもと、意図せず主となってしまった図書館の魔術具、シュヴァルツとヴァイスの新しい衣装づくりのため、「消えるインク」を作ってしまいます。ふむふむ、なるほど、これが後の大事な伏線になっているわけですね。

これまで、どちらかといえば対象を絞った、ワンポイントの魔術しか登場していなかったのですが、この巻では、「春を呼ぶハルデンツェルの奇跡」と「エントヴィッケルンと広域ヴァッシェン」という派手な魔術現象が登場しますので、ファンタジー色が一気に高まります。神官長フェルディナンドは、どーしてそんなにたくさんの高度な魔術を知っているのか不思議なほどですが、実は……だったのですね。これは、WEB版で全編読了しているからわかる強みかも(^o^)/



個人的には、「ハルデンツェルの祈念式」で春がやってきてしまうあたりが面白い。長い冬が過ぎて春がやってくる喜びというのは、雪国在住の当方にとってはやけに共感してしまうところです。まして、これから厳冬期に向かうだけに、非常に羨ましい。19歳や20歳を過ぎて猫又レベルに達した我が家のアホ猫たちが、なんとかして「早々に春を呼ぶ大規模魔術」をやってくれないものでしょうか(^o^)/


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