電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHK高校講座「生物基礎」で免疫の基礎をおさらいしてみた

2021年07月08日 06時00分30秒 | 健康
私の高校時代、すなわち昭和40年代前半、生物では免疫について詳しく習った記憶がありません。大学で初めて、教養の生物学の講義で免疫と免疫グロブリンのような語を知りましたが、これもどちらかといえばクラシックな内容でした。在籍した講座では院生や助手さんに免疫をテーマにしている人がいて、ウサギに特定のラベルしたタンパク質を注射し、アフィニティクロマトグラフィー等で抗体を調べて、みたいな研究だったと記憶しています。

その後数十年が経ち、私の子どもたち(すなわち西暦2000年前後に高校生だった40歳前後の人たち)が習った平成の生物の教科書でも、どうやら免疫を学んではいないようです。ところが、孫の世代、すなわち令和の今の現役高校生の場合は、「生物基礎」で免疫のしくみやワクチンについて、ある程度きちんと学んでいるようなのです。

つまり、爺さん婆さん世代や父母の世代では、保健体育で公衆衛生的な面から免疫やワクチンに触れる程度だったのに、今の現役高校生は、「生物基礎」という科目で、自然免疫と適応免疫(獲得免疫)、細胞性免疫と体液性免疫などを、ある程度きちんと習っているのです。

これは、おそらく20世紀末に格段に進歩した免疫学の成果を取り入れた教科書となっている、ということなのでしょう。では、今の高校生が学んでいる「生物基礎」では、免疫をどのように教えているのか? これは、NHK高校講座「生物基礎」の映像を見るのが一番なのではなかろうか。

ということで、雨降りの一日、昨年度のNHK高校講座「生物基礎」のアーカイブを見てみました。

いずれも1回分が20分くらいで、京都大学の河本宏先生が解説してくれていますが、これが非常に明快で、複雑な免疫システムの解説をさかなクンがきちんと受け止めているのがわかります。なるほど、現代の免疫学の基礎は、こうなっているのか。この放送内容は昨年度のもののようで、おそらく一昨年度に用意されたものと思われますが、昭和の時代にも平成の時代にもなかった令和の時代、まるで昨今の新型コロナウィルス禍を見通したような内容で、実にタイムリーだと感じます。

最後の第28回、河本先生のギターはお世辞にも上手とは言えませんが(^o^)、いささか付け焼き刃でもこの基礎知識があれば、ブルーバックス『新しい免疫入門』もなんとか読みこなせるのではなかろうか。




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