(琉球新報7月3日)
連れの女性は、舞台冒頭から胸騒ぎがしたと言う。太田省吾の作品は静謐な中に、関係性の陰影が~。
エアコンの調子が悪いと、演出の福永は舞台の始まりから妙な雰囲気だった。
10人の観客の妙な特権をくすぐる舞台構成~。ファーストクラスに乗った気分になれるか~。コロナ以前にその仕組【企画】の舞台があった時、来れなかった。ゆえにじっくり舞台を堪能したいと思っていた。しかし~、
おれの舞台ではない。演出家の意図にそっていなかった舞台、という事が「お金を返します」になった。
連れの女性は、舞台を一見し、始まるや「夫婦の絡みの舞台」を当初から見ないで耳を澄ましていて、途中で席を立とうと思った所で、演出家の声がかかったという。妙に胸騒ぎがしたということばに興味を持った。以前若者たちの現代劇をいっしょに観たことがあったが、あの舞台を覚えていて比較しながら感想を述べていて驚いた。
舞台のセットはいい雰囲気だった。黒の空間に白い砂が丸く敷き詰められた。太田さんの作品は優しくない。静謐の中に赤いパッションが~。白い砂、その上の一組の夫婦!さて物語はどう展開するか、その矢先~。
久しく大田省吾の作品を観たことはない。以前沖縄市の「あしびなー」劇場で観たのが最後で、その後だった、大田さんは他界したと記憶している。水の駅、他、舞台録画などを動画に撮って観た。インパクトがあった。鈴木忠志の対局に位置するように見えたのだが、日本の現代劇はどうなっているのだろう~?演劇学会の春と夏の研究会に合わせて東京や関西の舞台を観る機会があったが、昨今はご無沙汰~。燐光群の舞台も以前は観に行ったのだが~。燐光群「天神さまのほそみち」孤立を描く別役実作品が現在、東京で上演中なんだ~。別役さんと言えば不条理演劇。ああ、別役実さんも以前沖縄ジャンジャンでトークをしたのだった。あの時『人類館』の知念正真さんもお元気だった。日本の著名な劇作家と沖縄との交流があったのだ~。現代は?坂手洋二さんの舞台も結構沖縄で上演された~。
作品を読み返してみたい。役者に厳しい作品だ。しかし、なぜパジャマだったのか?シンプルな白、黒、赤ではなく~。
懐かしい、顔ぶれ、古堅と福永がそろった。大学生時代から二人はかれこれずっと演劇を続けている!あの時イオネスコ作品『授業』の教授役をやってのけた古堅だ。古堅のシュールな作品の主演が福永である。二人の眼は、まだまだキラキラしている!
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以下はネットフリー辞書ウィキピディアより:
太田 省吾(おおた しょうご、1939年9月24日 - 2007年7月13日)は、日本の劇作家、演出家。中華民国山東省済南市に生まれる。学習院大学政経学部中退。『水の駅』など沈黙劇と呼ばれる独特のジャンルを生み出す。代表作に『小町風伝』(1977年初演。第22回岸田國士戯曲賞受賞)。『水の駅』、『地の駅』、『風の駅』は沈黙劇三部作と称される。岸田國士戯曲賞の選考委員(第36回から第49回)などを務めた。