志情(しなさき)の海へ

かなたとこなた、どこにいてもつながりあう21世紀!世界は劇場、この島も心も劇場!貴方も私も劇場の主人公!

風を切って歩く母親とダブルの少年の姿が印象的で久しぶりに散文詩などを書いてみた!

2013-01-06 03:06:59 | 詩、詩集

                        (苺の白い花)              

            《さっそうと》

      ほら、見てごらん、あの親子

      クルーだねー、クルーは隠せんさーねー

      隠すって何なの

      ねー何を、つまり黒人と出歩いていたこと?

      黒人兵と遊んだこと?

      あの黒い肌の男とむつみあったことが

      悪かったというわけねー?

            あなたは何人かのハンサムな黒人兵を愛していた

            中絶しながら、でも別れられなかったのね

            シングルファーダーのマイケルにぞっこんだった

            両腕に刺青を入れ、I Love You!をいつでもマイケル

            に向けた。I Love Youよねどこにもいかないでよ

            おとうさんにぶん殴られたけど、でもいいや好きに生きていく

             アメリカの大学のキャンパス、フットボールの花形選手の多くは

             アフリカ系アメリカ人、チェアガールはなぜかスレンダーな白人系の女子学生

             キャンパス内のアパートメントでよく見かけた光景は黒と白のシルエット

         人種のコンタクト・ゾーンは異文化接触の最先端、そこから、そうそこは

         世界の愛の先端、そこからハイブリッドな空間が広がっていく

         と考えるのはオプティミスティック!でもオプティミスティックに考えたい

         歪みは涯てがなく格差も隷属も収奪も殺し合いも涯てがない。欲望という名の

         触手は宇宙へ大洋へ地底へと涯てがなく、ミクロの世界も暴いていく。そして

         そして限りない欲望の果実の分量にみあう犠牲を食べ尽くし太っていくのらしい

         見えない怪獣・バンパイヤがわかりやすいのかもね

         多くの血を吸う者たちが跋扈する、あなたもわたしも見えない闇の中で見えない  

         魂を啜られていく、などと考えるのはシンプルすぎるので、今はただあの親子の

         さっそうとした姿を語りたい

           ふと車窓の前を見ると明らかにお父さんがアフリカ系アメリカ人の少年と

           その母親らしい親子が歩いていた。彼はのんきそうな表情でダブルの端正な顔立ち

           母親はと見ると40歳前後の綺麗な顔立ちの女性である。 彼女の綺麗な目鼻立ちに

           対して表情に陰りがあると感じた瞬間、復帰前の黒人街や大型車に乗った黒人兵

          と綺麗な沖縄女性の姿が浮かんだ

           あの頃「黒人は美人好みだが、白人はそうでもないよな」が聞こえてきた。フィリピン人

          の男性と結婚しハワイに渡った近所の綺麗なおばさんややはり高校生の時優秀だと

          評判のお姉さんが米兵と結婚してワシントン・DCに飛んでいった。学校教師の奥さんが

          基地内で働きはじめ、米軍大尉のハーニーになり毎日美容院に行くと評判になったりした。

          そして産婆をやめたのだった

           異文化接触は愛の接触で、基地のある村のとある集落の女たちの多くが米軍基地で働き、

          米兵のオンリーやハーニーになり、そしてやがてアメリカに飛んでいった。村の由緒ある家柄の

          娘はダブルの息子を産み、結婚を反対されたが、やがてその息子はレイプ殺人を犯すことになった。

          それはFACTだけど、その犠牲になったのはよく知っている愛らしい高校生で、彼女が立っていた

          あのバス停にわたしも立っていた。だから彼女はわたしでわたしは彼女だった。だからあの彼はいつも

          意識の裾野に住み着いている。とある刹那の狂気のままに、否バスケットをしていたあの後ろ姿も共に

           それで、その生きていることは、生きていることだけで、凄いことなんだと、思うのよね、それで、その

          綺麗な女性の曇り顔の中に命を育んだ女の歓びと痛みと平板だけど勇気のみなぎりのようなものを感じて、

          わたしなんぞの偽善に比べたらなんとたくましい女なんだろうと、思ったりしたのよ。彼女が風をきってダブル

          の少年と歩くその姿がなぜかオーラに包まれた何かに思えてきたのよ。それだけのお話!

              限りある命の流れを流れのままに生きていく。あるがままに、ながれるままに、そして抗いながら

             生きていく。こころに正直に生きられた人が最も幸せなのよ。愛を信じて愛に準じて生きている人は

             幸せなのよきっと。 偽りの愛ではなく、人生にコミットして生きていければ最高ね

             プラトンは紀元前にエロスの精神的昇華を最高のものにしているのね。肉体レベルを超えるエロスは

             抽象的なエロスの永遠性を謳っている。しかし身体の宇宙を生きている間、その宇宙の求めるものを

             求めて生きる姿は輝いているのね。終戦後、生まれた赤子の色の黒さに驚愕し、赤子と共に自らを殺

             した女教諭の悲しみ(絶望)から60年余の歳月を経て、今アフリカ系アメリカ人と沖縄人女性の間に

             生まれた少年は風を切ってかろやかに歩く

              さっそうと歩いている親子の姿は、そのまま輝いている。あなたの痛み、歓びは闘いの痕跡

              そのままでいい。あるがままになすがままに春はやってくる。生きているっていい!少年の軽やかな

              姿は美しいと感じているわたしがいた

  (ああ、なんてことばが陳腐なんだろうと思いつつ、記す。あの当時(復帰前)、アフリカ系アメリカ人に差別の眼差しを向けていた沖縄人の目の群れがあった。「クロンボ、クルーといっしょになってねー、クルーたーやカーギジョウグウだからね」の声が聞こえてきた。昨日、可愛いお嬢さんをバイト先に送る帰り際 この親子に会った)

         

           


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