桜の樹の根元には猫がいるんだ
桜の樹の根元には猫がいるんだ。いつでも猫が丸くなっているんだ。それはほんとうのことなんだよ。そして猫がひっそり、桜の枯れ葉の下に埋まっていることがあるんだ。それもほんとうのことなんだよ。なにせこの公園には猫が多いんだ。今日はあまり見かけなかったが、猫のいない公園は怖いんだよ。いつも朝早く、二人の帽子を被った腰がゆったりの女たちが猫に餌を与えるんだよ。少しずつ、毎日だよ。猫たちは急いで駆け寄ってきて、そしておりこうさんに待ち受けたりしているんだ。今日、その姿がなかったのが、なぜか気がかりなんだ。猫たちが公園からいなくなったら、もうこの世界はおかしくなったということなんだよ。なぜかこの国は最近、というかこの数年、変なんだ。猫がゆっくり桜の樹の根元で丸くなることはいいことなんだよ。桜と猫は一体なんだ。桜の根元から猫がいなくなると国がおかしくなる徴なんだよ。ほら足音が聞こえてくる。猫は平気で丸くなる。それはいいことなんだ。
注 桜の樹の根元で丸くなる猫を見た朝、梶基次郎の『櫻の樹の下には』が浮かんだ。
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桜の木の根元には猫がいるんだ!
桜の木の根元には猫がいるんだ。いつでも猫が丸くなっているんだ。それはほんとうのことなんだよ。そして猫がひっそり、桜の枯れ葉の下に埋まっていることがあるんだ。それもほんとうのことなんだよ。なにせこの公園には猫が多いんだ。今日はあまり見かけなかったが、猫のいない公園は怖いんだよ。いつも朝早く、二人の帽子を被った腰がゆったりの女たちが猫に餌を与えるんだよ。少しずつ、毎日だよ。猫たちは急いで駆け寄ってきて、そしておりこうさんに待ち受けたりしているんだ。今日、その姿がなかったのが、なぜか気がかりなんだ。猫たちが公園から追放されたらもうこの世界はおかしくなったということなんだよ。なぜかこの国は最近、というかこの数年、変なんだよ。猫がゆっくり桜の木の根元で丸くなることはいいことなんだよ。桜と猫は一体なんだ。桜の根元から猫がいなくなると国がおかしくなる徴なんだよ。ほら足音が聞こえてくる。猫は平気で丸くなる。それはいいことなんだ。
注: 桜の根元で丸くなる猫を見た朝、梶基次郎の「桜の樹の下には」が浮かんだ。
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以前、公園を散歩していた時、よく桜の木の根元で丸くなっているネコを見た。彼らは国場川沿いのフェンスのそばにずらりと植えられている桜の木と川沿いのフェンスの間にいた。何かあるとフェンス越しに身を隠した。散歩道になっているので人通りは激しい。しかし平気で丸くなっていた。それにしても梶基次郎の「櫻の樹の下には」は、とてもいい散文詩のような小説になっている。あれは小説というより散文詩なんだね。
梶基次郎は「櫻の樹の下には」の作品で悠久の美を残したのだ。
桜の木の根元で丸くなっている写真は何枚もあるが、HDDの中で、後でUPしたい。