PC作成日記12
AdobePremiereCS5.5 使用ノウハウ
CS4からCS5またはCS5.5への移行は、これまでと違い32Bitから64Bit対応になるなど大きな転換期となり、Adobe Mercury Playback Engine などの新機能が盛り込まれたため、これまで以上に不具合や使用上の注意が多くなるものと思われます。 そのため実使用までには沢山の検証が必要となり、現時点で判明したノウハウをまとめました。
1.メモリ不足による動作停止対処
32BitマシンではPCの搭載メモリが3.2GBしか考えられなかったのですが、64Bit PCになって大量のメモリを搭載および使用出来るようになって、APL側も相当量使うようになりました。
今回の検証中でも10GBを超すこともしばしば。
ところが、PCの搭載メモリとは別にAdobe製品で使うメモリ量を規定してるところがあり、CUDA利用時にこのメモリの上限に達するとエンコード処理が停止してしまう事が何度かありました。
したがって、この既定値はできるだけ大きくとって置いたほうが良いようです。 実測で11GBを超える事はなかったので、上限値を12GB程度にしておけば余裕かな?
・編集/環境設定/メモリ
副次的なノウハウとしてPremiereを使用する人は最低でも16GBメモリの搭載が必要かと思います。
2.CS4で作成したプロジェクトの流用
私の場合、毎年定常的なビデオの作成依頼もあります。 その時に、作成環境含めて前回のプロジェクトを元に作成することで、大幅な稼働削減を可能としてきました。
今回、32Bit版のPremiereCS4で作成したプロジェクトをファイルコピーして使用したところ、CUDA利用時に前述のメモリ不足とは別な事象としてエラーにより停止するなどの事象がありました。
運用対処としては、CS5.5で新規プロジェクトを作成して、その中で旧CS4のシーケンスを「・ファイル/読み込み」で読み込んで更にその中のシーケンスデータをコピー&ペーストでCS5.5のシーケンスに貼り付ける事で、不安定な部分(後述のCUDAドライバ不具合)もありますが、かなり改善できました。
3.Adobe Mercury Playback Engine でのNVIDIA CUDAドライバ不具合による動作不安定
私が、64Bit版のPremiere5の検証を始めた5月中旬時点ではCUDAドライバのファームバージョンはVer270.61でしたが、とても不安定な状態でした。(詳しくはPC作成日記10参照)
6月1日に発出された Ver275.33にUPすることでかなりの改善ができました。
4.Adobe Mercury Playback Engine でのNVIDIA CUDA使用
3項で、CUDAドライバを最新バージョンにしても複雑なタイトル設定や他シーケンスのはめ込み等が行われている部分ではCUDA利用の場合に依然としてエラーで停止してしまうことがあります。
運用対処としては、その部分を個別にレンダリングするか、設定箇所が多い場合には全域をレンダリングしてからエンコードを行うとほとんど通る様になります。 ただ、デゾルブ処理が重なったような場所では、それでも駄目な場合がありますが、なぜか2回流すと通る様になります。
5.レンダリング実施
4項で実施するレンダリング時は、Adobe Mercury Playback Engine を「ソフトウェア処理」で実行しないとエンコード時同様、エラーで停止してしまいます。
レンダリングが終了したら「GPU高速処理」に戻してCUDAを利用したハードエンコードを実施します。
6.ドルビーライセンス
5.1CHサラウンド音声編集でDVDやBlurayディスクにする場合、ドルビーでの出力としていましたが、AdobePremierePROの時に買った使用ライセンスがCS4までは以前のキーを使用し、そのまま認証出来て継続的に使えていたのですが、CS5からバージョンが1.0.34にUPされた事で以前のキーではアクティベーション出来なくなりました。
私の場合、旧PCがまだ生きていますから、暫くは音声ファイルだけWAV形式での6CH出力とし、それを旧PCのPremiereCS4でドルビー出力することにしました。
7.PC間のデータ授受
6項で問題になるのが新旧PC間のデータの授受。 私の場合、接続はギガビットイーサ同士と300Mbps無線LAN同士の2ルートによるブリッジ接続によるフォルダの共有化によって、ファイル転送することなく外付けHDD感覚で使えるようにしました。
この場合、気を付けなければならないのが、普通は無線LAN優先にしてあるので、そちら経由での接続となってしまいます。 これだと10~15MB/s 程度のスピードしか出ず、実用的でないので無線LANの子機をUSBから外すとギガビットイーサに切り替わり、50MB/s程度のスピードが出る様になります。
細かい点は、もっとありますがこんなところでしょうか。
全体的にはやはり、新機能に関する不具合関連が多い事がわかります。
CUDAに関しては、どうしても不具合が回避できなければ、ソフトウェア処理で実施すれば取り敢えず正常に処理できるので、改善を待つと言った方策もあります。 改善してくれればの話ですが・・
でも、前回書いたように、もっと危惧しているのは、EncoreDVDのBluray作成機能です。
自分でも資料化していても忘れてしまうので、ブログはメモ代わりでとても良いですね。
誰かに聞かれても、話早いし・・・。