(1)中国共産党大会が終わり、習主席(党総書記)の後を新指導部にあらたに就任した6人の緊張でかこわばったこわもての顔が続く記者会見場(報道写真)。習主席は別にして世界がこれからこういう習主席最側近のこわもてと対峙しなければならないと思うと、気が滅入る。
(2)中国共産党大会で習主席は新指導部を改編して意見の異なる李克強首相など委員を引退に追い込み最側近で固めて、すでに憲法改正で国家主席(2期10年)の任期を廃止して異例の国家主席3期目の絶対権勢、権力者の地位を確立した。
(3)中国も過去歴史は王朝絶対支配時代が続き、旧日本軍のアジア植民地侵略支配に利用されてそれに抵抗して毛沢東革命主義者が立ち上がり、現在の礎となる共産主義革命主義国家が誕生した。
今秋異例の国家主席3期目を確実にした(終身国家主席も狙っているともいわれる)習近平主席の絶対権勢、権力体制は習主席に権力が集中して時代が逆戻りしてかっての王朝絶対支配時代に戻ったような強い錯覚、印象を受ける。
(4)現在の中国は広大な国土に14億人の人口を擁して、市場経済主義を導入してGDP2位国として影響力を増しているが、習「王朝」絶対権力支配体制に逆戻りして絶対的にやり過ぎると14億人の中からこれもかってのように習「王朝」絶対権力支配に反発、反抗、抵抗する「毛沢東革命主義運動」が動かないとも限らない、王朝先祖返りの強い危険な政治状況がパラドックス(paradox)として生まれた予感がする。
(5)中国の広大な国土に14億人の人口構成をみると民主主義、自由主義体制では統治行政機能はむずかしく、権威、専制国家、一党独裁国家体制でもないと統治できない状況であり、すでに一国家としての統治機能規模能力を超えているものであり、政治、経済、軍事、社会で世界に大きな影響力を持つ米国覇権主義国家に対抗するためにそもそも統治がむずかしい広大な国土に14億人の人口というストック(stock)を背景にして他国を威圧して自らむずかしいカジ取りをしている。
(6)世界は民主主義、資本主義の後退がいわれて、それを象徴するように議会制民主主義発祥の英国はEU離脱を契機に首相が次々と交代するという政治混迷時代を迎えており、権威、専制国家、極右勢力の台頭が著しいわかりやすい変化の時代にある。
(7)中国も国際協調時代の中で世界経済に影響力を持ち一定の役割は果たしている時に、政治体制は先祖返りの露骨な習「王朝」絶対支配政治の復活では今後の世界展望、予測が一層混迷、困難になるむずかしい気配だ。