(1)2024年問題が迫ってきた。トラックドライバーの長時間過密労働体制で人手が足りなくなり、24年には政府による残業規制が強化されてこれまでトラックドライバー1人体制だったものが交代要員を加えて2人ドライバー体制が必要になりさらにドライバー不足が加速して、荷請けができなくなる、配達が大幅に遅れる2024年問題だ。
(2)生成AIの登場で大学では学生に対して経験学習がしっかりとした文章を書くには必要だとしてレポートなど作成に生成AIの活用を禁止する方針を示しているが、インターネットを経験した時代、社会はインターネットを使わないということはできない論理が語られたが、貨物電車輸送からトラック輸送に切り替えられた時代、社会では貨物電車輸送に帰るということができない時代、社会を迎えているといえる。
(3)国土の広い外国では貨物電車輸送が中心だが、国土の狭い日本で高速道路網がすみずみにまで行き渡っている日本ではトラック輸送が貨物電車輸送にとって代わって久しい。トラックドライバー不足を受けて新幹線の一車両を貨物輸送用に使う試みや貨物電車輸送の復活を試みられているが、インターネットを使い、経験して、インターネットを使わないということはできない論理もあるように、トラック輸送を貨物電車輸送に戻すということもまたなかなかできない話だ。
(4)時代、社会がコンビニ、通販全盛社会になり、また消費者の志向も多様、新鮮な食料品を選ぶ消費者社会に応えるトラック輸送は社会インフラとして欠かせないもので、今更、長期間保存の食料品、物品を足で探し回るという論理はなかなか通用しない。
(5)しかし2024年にはトラックドライバー不足は社会問題化して、荷請けができない、配達ができない、大幅に遅れることが深刻だ。高速道路が全国整備されて社会インフラを使わずに貨物電車輸送に戻ることも考えにくいところで、少なくとも渋滞解消による輸送の効率化を進めることが必要だ。
(6)高速道路でのトラック専用レーンの常態化、さらに09年民主党政権が打ち出した高速道路無償化も検討する価値はある。高速道路無償化ではさらなる渋滞を招くことの懸念はあるが、その分一般道路は比較空くことになりすみ分けはできそうな事態にもなる。
(7)注文した物品が家先まで早く確実に届く、いつでも新鮮なものが手に入ることを経験した時代、社会にはトラック輸送を使わないということができない時代、社会に生きている。