原始的でもなく超進歩的でもない

　食事は、欧米では語らいの場として、ゆったりと時間をとって
日本では、素材そのものを楽しんでもくもくと、というのが特徴
的に言えばそうなるでしょう。

　欧米では、器はあくまで幾何学的に合理的で、大きな素材を
包容し、分けて食べる。時間の流れを計算にいれて、ひとつひと
つ順に提供する。日本では、素材の良さを活かす器で、時には
器そのものを楽しむように、配置も計算に入れて、すべての素材
を並べて食べる。

　文化には歴史観、価値観の多様性が反映されて、それぞれの
存在意義があり、よさがある。

　北欧を代表とした食事文化としてスローライフと言われるもの
がある。育てて、その素材を活かした素朴な手料理で食事を楽し
む生活文化だ。

　日本でも、家に庭があった時代には、簡単な野菜や果実を育て
て、季節を感じとって食べていた。スローライフだ。
　庭先で育てた朝露のついた「みょうが」を摘んできて、刻んで
朝の味噌汁に入れて食べたものだ。そりゃ、舌先が鮮度を感じて、
香りがまた特段によかったものだ。
　「いちじく」なんかは、おいしい頃をカラスのほうがよく知ってい
て、先においしいところを食べられたものだった。

　近代化、先進国といわれる文化圏で、生活環境の変化により存
在する多くの人間資産が平均値化して、一方、いまだに時間の歩
みを急がない文化圏の生活習慣が求められる。

　時代の経験にもとづく歴史観、価値観の共有による、原始的でも
なく超進歩的でもない、あたらしい時代の文化としての人間資産の
平均値化が創造されていく。

ＷＨＯは何をしている

　豚インフルエンザ続報。メキシコでは、医療体制も施設も設備も
なにもかもが、ほとんど適切な対応がとれていない。
　同政府もコントロールが利かなくて、各機関（市も含めて）が勝
手に違った死者数を発表するなど無秩序状態という。政府そのもの
も現状を掌握しきれていない。もう４週間が過ぎようとして被害は
世界規模に拡大している。

　米国、カナダがようやく支援体制を組んで防疫強化に乗り出した
という。

　ＷＨＯは何をしている。緊急事態とかで、世界の専門家と電話回
線を結んで分析対応していると聞いた。あたら、フェーズを３だと
か、４にしたいけど不安を駆り立てるとか、聞こえてくるのは言葉
遊びにしか見えない。ジュネーブから外見の見学か。

　そうしている内に、フェーズがどうのこうのと言う前に、被害は
世界に拡大し、その「現実」を世界がとっくに見据えている。
　ＷＨＯが分析と基本姿勢を示せないなか、各国は防疫の自衛対応
をどんどんすすめているが、当のメキシコは惨憺たる現実がある。

　ＷＨＯはこの期に及んで何をしている。
　ＷＨＯは情報開示により世界規模での防疫体制の適切なリーダー
シップをはやくとり、メキシコに効果的な情報と手段の提供により
発症元への支援を強化せよ。それが役目だ。




　

速やかな核心のある情報開示

　パニックとは、正確な情報が提供されずにやたら不安をあおると
起きる。豚インフルエンザ。新型インフルエンザとしてメキシコ中
心に欧米にひろがる勢いだ。
　ＷＨＯでは、世界の専門家と電話回線を繋いで、安全対策につい
て緊急対応をすすめている。

　メキシコでは疑いのある者２０００名に迫り、すでに１５０名近
くが死亡している。米国では疑いのある者５０名近くで、治療のう
え、回復して帰宅している者が続いているという。
　この両国の違いについて、起きている現状把握の精度の違いによ
る防疫体制システムによる事前防疫にあると一部報道されている。

　知りたいのは、なぜメキシコでは突出して死亡者が出て（現在で
は、すべてが豚インフルエンザの感染によるものか確定的ではない）
ほかではそうでないのか。感染したウィルスが人体にどのように浸
透し、なにを破壊して死におとしめているのか。

　ＷＨＯは今懸命に解析に努めているのだろうけれど、死亡例の多
いメキシコでは、症状例がはっきりしているのだから、すみやかな
情報開示が望まれる。
　ひとつひとつ事実が開示されることによってのみ、不安は、適切
な防疫へのエネルギーに転嫁されていくのだ。

　死亡者が増えた。世界に拡大規模だ。マスクを着用し、消毒を徹
底して水際防疫作戦だ。だけでは、不安をあおるだけだ。この程度
の報道の繰り返しで、社会不安は増すばかり。パニックに進んでい
く。

　「なに」が原因でそうなって、「どうして」そこまでいって（ひ
ろがって）、いったい「どのように」人体を破壊しているのか、そ
のメカニズムの解明のための、ひとつひとでいいから、早く正確で
丁寧な情報開示が必要だ。

　今は、情報化社会のなかで、繰り返す症状だけの開示が不安を迅
速に、一斉に、大量に、オンタイムで世界を駆け巡り、あたら焦点
の定まらぬ予測を生んでいく。

　核心のある情報開示を。速やかに。被害はいつも弱者にしわ寄せ
するから。

　

オーソライズとダイナミズム

　名古屋市で投票率５０．５４％、５１万票を獲得して新市長が誕生
した。投票率が５０％を超えるのは３０数年ぶりとかで、ようやく、
市民が承認したと認定してもいい選挙の最低条件（投票率５０％）を
クリアーしての市長ですよ。

　市民税１０％減税を掲げ、地域のことは地域で考えて政策に取り入
れる公約が支持された。わけのわからない名目の税金をあの手この手
徴収しておいて、あげくのはて、慣例として毎年裏金ずくりに精をだ
していた自治体です。
　減税やらなきゃ、おかしいでしょう。まずは裏金づくりの体質をシェ
イプして、組織体の血行障害を回復するカンフル剤を投与して業務改善
のうえ、透明でわかりやすい行財政の促進です。

　１点、減税で、法人までやるのはいただけません。バブルの時代も
経て長い目で見ればあるところにはあるんですから、法人としての恩
恵もあり、だすとことにはだしてもらいましょう。

　新市長、そのキャラクターはよくわかりませんが、所属する政党支部、
市議会や公務員（市職員）との折り合いがよくないという話聞きます。
　現在では数少ない（ほかにも現存するかもしれないので一応）ようや
く市民にオーソライズ（５０％以上の投票率での支持）された市長です。
　
　折り合いの悪いといわれている方達はこぞって市民にオーソライズさ
れていないことをわきまえない無礼な輩（やから）ですから（今の国会
議員は全員この部類にあてはまる）、ここはよくその立場を認識させる
ため、オーソライズされた余裕をもって、むしろ一歩引いた構えでもい
いんです、お互いの立場を開示して、そのなかでスケジュールに従って
政治信念を通していくことをおすすめします。最後は、オーソライズし
た市民が検証して、判断することになるのですから。この力は絶大です。
それに従えば道は開けるはずです。いっぽう、市民にも責任あるチェッ
ク機能が求められもします。

　ここでは、唯一と言っておきましょう、唯一オーソライズした市民の
ほうを向いて市政にまい進ください。
　なんか、オーソライズされた選挙で決着つける政治の本来のダイナミ
ズム味わったよ。
　秋までには総選挙もあります。変な動向、選挙で決着つけましょう。
オーソライズとダイナミズムがキーワードです。
　

現実と空想の間

　もう１０年前になりますか。「パラサイト・イヴ」という、小説が
話題になり、映画にもなりました。数億年も前の遺伝子が生物に寄生
して生き延びて、今ヒトの細胞を乗っ取るという医学的にも裏付けら
れたという、しかし当時はホラーという触れ込みでした。

　どうですか、その後、鳥インフルエンザなるものが横行し、当初は
人間には感染しないと言われて、外国ではそれが原因で亡くなった人
がでてくる。日本でも、たびたび鳥への感染が確認されて、そのエリ
アを封鎖して全身予防服を着た作業者が消毒液を噴霧する、かっては
映画の世界で見た光景が展開されている。

　そこへきて、今度は豚インフルエンザだ。メキシコと米国で人への
感染が起きて、発表も遅れて出されて、すでに１０００人以上が感染
して７０名弱の死亡者も出ている。人と鳥型インフルエンザが混ざり
変異したものかとの憶測もあり、人から人への感染が確認され、世界
的大流行に備えるレベルに達する懸念がある。

　もはや、パラサイト・イヴの世界が小説だけの世界とはいえない現実
を見た。

　今度は、日本。犯罪者を取り調べ中の担当者がその最中に居眠りを
して、その隙に犯罪者がその場から逃走した。途中、暗証式のドアも
クリアーしての逃走と伝えている。その続報で、どうも、取り調べ中
に隙を見て取調員の飲み物に睡眠薬を混入した形跡があるという。取
調員の体内からも成分が検出されている。まんまと、睡眠薬入りの飲
み物を飲ませて居眠りを誘い逃走したというのだ。

　これって、テレビドラマ、映画でよく見るシーンそのものじゃない
か。

　空想科学、超常現象が「現実」に追いついてきたのか、「現実」
（の何か）が空想科学、超常現象を常態可能にしてきたのか、何がお
きても不思議でない世界になった。

　人間も手をこまねいているわけではない。人工多能性幹細胞（ｉＰＳ）
の作製で、ヒトの細胞から神経、心筋、軟骨等さまざまな細胞へ分化さ
せることが可能になった。自分の細胞から分化するので拒否反応がでな
い。
　この研究者たち、いつかの空想科学映画でのあの絶対絶命の危機にも
沈着冷静で果敢なイメージそのものの科学者に見えてきて、「現実」にも
大いなる希望の光もある。しかもこの光は、昔と違って発光ダイオードだ。